天然由来の光学活性化合物を活用するインテリジェントマテリアルの創成
Project/Area Number |
08J07103
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Polymer chemistry
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
寺田 佳世 Kyoto University, 工学研究科, 特別研究員DC2
|
Project Period (FY) |
2008
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
|
Budget Amount *help |
¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
|
Keywords | アミノ酸 / ジケトピペラジン / ADMET重縮合 / フェニルアセチレン / らせん / 不斉還元 / 不斉有機触媒 / 光学異性体分離 |
Research Abstract |
本研究では、天然由来の光学活性源であるアミノ酸の多様な官能基を活用した、様々な新規光学活性高分子の合成と機能評価を目的として、アミノ酸あるいはその環状二量体であるジケトピペラジン(DKP)を、主鎖あるいは側鎖に導入したポリマーの合成し高次構造について検討した。グルタミン酸DKP-ω-アルケニルエステルの非環状ジエンメタセシス(ADMET)重縮合によって得た、主鎖にDKPを有するポリマーが、DKPのアミド基間水素結合に基づいて固体状態および溶液中で規則正しく配列することを明らかにした。L-フェニルアラニン由来のDKPを有するフェニルアセチレン誘導体のRh触媒を用いた重合により得た、側鎖にDKPを有するポリマーが、溶媒やトリフルオロ酢酸などのカルボン酸の添加に伴ってコンホメーションを変化させることを明らかにした。また分子力学計算により、DKPの二本のアミド基間水素結合に基づいて右巻きのらせん構造を形成することが分かった。L-バリンから誘導される、ルイス塩基性のホルムアミド基を有するらせんポリフェニルアセチレンを用いて、トリクロロシランによるケチミンの不斉還元反応(ヒドロシリル化-加水分解)を行った。モノマーを触媒として用いた場合とはキラリテイの反転した光学活性アミンが得られ、ポリマーが形成するらせん構造に基づいた不斉誘起触媒として作用することを見出した。これまでにDKPをポリマー骨格に組み込み高次構造について検討した例はなく、本研究はDKP含有ポリマーが二本のアミド基間水素結合に基づいた高次構造を形成することが明らかした初めての例である。また高次、構造由来のキラリティを利用した不斉有機触媒は報告例がなく、本研究の成果は今後、不斉誘起合成の光学活性源、光学異性体分離の固定相材料などの発展に寄与することが期待される。
|
Report
(1 results)
Research Products
(7 results)