EU法秩序の法哲学的考察-新しい法秩序モデル構築のために
Project/Area Number |
08J07197
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Fundamental law
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
近藤 圭介 京都大学, 法学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2008 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2010: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2009: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2008: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
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Keywords | 法哲学 / EU / H.L.A.ハート / ジョセフ・ラズ / ニール・マコーミック / 法体系の理論 / ハンス・ケルゼン / カール・シュミット / ゲオルグ・イェリネク / 連邦論 / 国際法学 / 国法学 |
Research Abstract |
本年度は、独自の法秩序と位置付けられるEU法秩序の特性を描き出す法秩序モデルを得るという当初の目的を達成するため、前年度までで検討された、ハンス・ケルゼン及びカール・シュミットの「連邦」論に基づくものとは異なる内容のモデルの可能性を探ることを意図し、英国で長きにわたり展開されてきた「法体系」の構造をめぐる理論を、近時の議論動向にも注目しつつ検討した。具体的には、まず、英国における現代分析法理学の主要な理論家と一般に評価されている法哲学者H.L.A.ハート及びジョセブ・ラズが各々に提示した「法体系の理論」に検討を加えた。そして、次に、彼らの知見を批判的に摂取したうえで、それらをEU法秩序の特性の分析に具体的に応用することを試みる、ニール・マコーミックをはじめとするさまざまな法理論家による近時の議論を概観した。その結果、彼らの議論は、総じて、EU法秩序につき、EUの法体系と構成諸国の法体系とを各々に独立した自律的な存在であるとし、その内部構造を階層的に描き出すとともに、それらの体系のあいだで形成される非常に複雑な相互関係を、相互的な承認に基づく、対立の可能性を孕みつつの協調という観点から捉えるような法秩序モデルを提示するものであることが確認された。今後は、これまでの研究の成果を踏まえたうえで、EU法秩序の特性の描き出すような独自の法秩序モデルの構築を試みることにしたい。
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Report
(3 results)
Research Products
(4 results)