Project/Area Number |
08J07210
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Morphology/Structure
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
山口 寿哉 Kumamoto University, 大学院・自然科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | ヒラメ / コルチゾル / アロマターゼ / FSH(濾胞刺激ホルモン) / 温度依存性性決定 |
Research Abstract |
ヒラメの遺伝的雌は、性分化時期の高水温(27℃)飼育により、アロマターゼ遺伝子の発現が抑制されて雄へと性分化することが知られている(Kitano et al.1999, 2000, 2007)。前年度の研究において、in vitroにおいてアロマターゼ遺伝子の転写制御にコルチゾルが関与する可能性を示唆した。そこで平成21年度は、in vivoにおいても、in vitroと同様のコルチゾルによるアロマターゼ遺伝子の発現制御機構が存在するかどうかを確認するための実験を行った。 1,コルチゾル受容体(GR)タンパク質とアロマターゼタンパク質との共局在解析 蛍光免疫染色の結果、性分化開始時期(孵化後60日)の遺伝的雌の生殖腺において、アロマターゼタンパク質とコルチゾルの受容体であるGRタンパク質は共に同じ生殖腺体細胞において発現することが確認された。このことは、GRによる転写制御とアロマターゼの転写が同じ細胞で起こることを示している。 2,In vitroにおけるGRとアロマターゼ遺伝子のプロモーター領域との結合性 in vitroにおいて、ヒラメ生殖腺におけるGRとCREとの結合性を確認するため、ChIP(Chromatin immunoprecipitation)アッセイを用いた解析を行った。ChIPアッセイの結果、高水温飼育した遺伝的雌ヒラメの生殖腺では、GRとCREとの結合性が通常水温で飼育した遺伝的雌ヒラメよりも有意に高いことが示された。一方、FSHシグナルで活性化する転写因子CREB(CRE-binding protein)の結合性は高水温で飼育したヒラメにおいて有意に低下した。このことから、in vivoにおいても、GRとCREは結合し、その結合はCREBと競合的である可能性が示唆された。 まとめと今後の計画 これらの結果から、高水温飼育により分泌されたコルチゾルは、コルチゾルの受容体であるGRはCREに結合し、高水温飼育により分泌されたコルチゾルとFSHシグナルが競合することでアロマターゼ遺伝子の転写を抑制している可能性が示唆された。これらの結果について、現在、米国雑誌Endocrinologyに投稿中である。また、ヒラメ温度依存性性決定における減数分裂開始機構についても解析中である。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)