Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2008: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Research Abstract |
本年度は,とりわけ統計手法に着目し,それらに基づく研究の展開を意識した。まず,従来の単変量のみの遺伝・環境交互作用モデルから,多変量にも適用できるようにモデルの拡張を行い,パーソナリティと情緒的な問題の共分散成分が遺伝的・環境的に交互作用する様子について検討を行った。また,遺伝・環境交互作用モデルと高次積率モデルを組み合わせ,従来の手法では解くことのできなかったモデルを解くことに成功した。さらに,二時点の縦断双生児データを用いて,交差遅れモデルと行動遺伝学モデルを合わせた解析を行い,親の養育態度が子どもの問題行動の発生にどのように影響を与えるのかを検証した。 縦断的な発達データの分析には,高度な統計分析への習熟が常に必要である。そこで,高次積率を含めた回帰分析によって,パーソナリティ特性と気分症状との関連性について複合的に明らかすることを目的とした論文を執筆し,採択に至った。また,潜在成長混合モデリングによる縦断データの分析は,ここ最近もっとも成長著しい統計手法のひとつであり,この手法を4時点の短期縦断データに適用して,学会発表を行った。 海外渡航先において行った共同研究の成果として,パーソナリティ特性のBig5次元のひとつである勤勉性(conscientiousness)の変化は身体的な健康の変化と正に相関することを潜在変化モデルによって明らかにし,この成果は英文誌へ投稿された。また,パーソナリティ特性と健康に関する日米のデータを比較的に分析し,いずれの国においても,勤勉性はさまざまな共変量やその他のパーソナリティ特性の影響を除去しても,身体的な健康と関連をもつことを示した。さらに,海外渡航先における受入先研究者を国内学会の講演会へ招聘し,学術的な国際交流の推進を図った。
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