触媒的不斉ビスメタル化による光学活性多価合成素子の創製
Project/Area Number |
08J07271
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Organic chemistry
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
谷口 弘樹 Kyoto University, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 有機ホウ素化合物 / 有機ケイ素化合物 / シリルボラン / 不斉合成 / メチレンシクロプロパン / 速度論的光学分割 / ヒドロアシル化 / 遷移金属触媒 / パラジウム触媒 |
Research Abstract |
パラジウム触媒不斉シリルホウ素化C-C切断に基づいたラセミ体1-アルキル-2-メチレンシクロプロパンの速度論的光学分割を行った。この反応ではシクロプロパン環の開裂位置により2種類のビニルボランを与えうるが、メチレンシクロプロパンの不斉炭素中心の立体化学に基づいた反応速度差、および炭素-炭素結合切断の位置選択性の制御によるエナンチオ選択的分子変換の実現を期待した。光学活性配位子および、基質と反応剤の当量関係等の条件最適化を行ったところ、2段階の選択性発現段階におけるそれぞれの選択性の相乗効果により、最高92%の鏡像異性体過剰率で2-ボリル-3-シリルメチル-1-アルケンを主生成物として得ることに成功した。本反応は過去に報告例のほとんどない速度論的光学分割であり、学術的に興味深いと考えられる。また、本反応は様々な官能基を有するメチレンシクロプロパンに適用可能であり、新たなキラル合成素子のエナンチオ選択的合成が達成できた。 上述のパラジウム触媒を用いる反応系では、2種の構造異性体混合物が生成する点で課題があったが、白金触媒を用いることにより、2-ボリル-3-シリルメチル-1-アルケンを単一の生成物として得ることに成功した。本知見は本反応の不斉触媒化に有用であると考えられ、これを基にしたより効率的なキラル合成素子の合成法開拓が期待できる。 また、シリルボランを含む3成分カップリングによる新規多価合成素子開発中に、副生成物としてメチレンシクロプロパンのヒドロアシル化体が得られることが明らかとなった。メチレンシクロプロパンのヒドロアシル化はこれまでに研究はほとんど行われておらず、基礎的知見もほとんど得られていなかった。そこで、詳細な検討を行うことにより、メチレンシクロプロパンの立体特異的開環ヒドロアシル化を明らかにした。この知見はシリルボランを含む3成分カップリングを制御する上で有用であり、新規多価合成素子の開発に資する。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)