In vitro-ABCトランスポーター輸送系を用いた薬物脳移行性予測法の構築
Project/Area Number |
08J07291
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Medical pharmacy
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
内田 康雄 Tohoku University, 大学院・薬学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | トランスポーター / 血液脳関門 / 薬物動態学 / MDR1 / 脳移行性予測法 / 絶対発現量 / 定量的プロテオミクス / in vivo予測 |
Research Abstract |
薬物の脳内濃度を決定する血液脳関門のトランスポーター活性の予測法の開発は、創薬・臨床研究における永年の課題である。昨年度までに、脳関門で薬物の脳移行を最も制御しているMDR1の輸送活性を、in vitroで計測したMDR1の単分子あたりの薬物輸送活性と脳関門における絶対発現量の統合によって、in vitroから予測できることをマウスをモデルとして実証した。そこで、本年度は、本課題の最終段階として、この予測されたMDR1の輸送活性と、脳関門における薬物の受動拡散速度を統合することによって、薬物の脳移行量(脳内濃度)を予測する基盤を構築することを目的とした。受動拡散速度は、血漿中と脳内の蛋白非結合型薬物の濃度比によって決定されると考え、12種のMDR1基質のマウス血漿中および脳内非結合型分率を計測し、その比率を取ることによって受動拡散速度を得た。この受動拡散速度とすでに得られているMDR1の輸送活性の予測値を統合することによって、薬物の脳移行量を表す脳内対血漿中薬物濃度比(K_<p brain>)を12基質について予測した。その結果、12基質中9基質において、K_<p brain>の予測値はマウスin vivo解析で測定された実測値と3倍以内の範囲で一致した。従って、MDR1基質薬物の脳移行量をin vitro実験系から良好に予測できることをマウスを用いて実証することに成功した。以上のことから、本課題の目的が達成された。他の3基質については、BCRPなどの他のトランスポーターによって輸送されるため、K_<p brain>の予測値が実測値と一致しなかったことが示唆された。我々は、ヒトの脳毛細血管において、MDR1と同程度にBCRPが高発現していることを明らかにした。従って、今後、全薬物の脳移行量を精度よく予測するために、BCRPについても、脳関門における輸送機能をin vitroから予測する基盤の構築に取り組む予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(30 results)