蛋白質分解酵素感受性異常型プリオン蛋白質の生物学的・生化学的特性解析
Project/Area Number |
08J07303
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Applied veterinary science
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
中満 智史 Hokkaido University, 大学院・獣医学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | プリオン / 細胞生物学 / エンドソーム / 小胞輸送 / 細胞密度 |
Research Abstract |
プリオンの性状を最も反映すると考えられる蛋白質分解酵素感受性異常型プリオン蛋白質(PrP^<Sc->sen)の培養細胞からの分離を目的とし、細胞内でのプリオンの増殖を詳細に解析した。PrP^<Sc->senは、当初の予想よりも量が少ないことが考えられたので、プリオンが細胞内で効果的に増加する条件を探すため、増殖に関連しうる宿主側の因子を探索した。プリオン増殖は酸性条件で起こると考えられているため、エンドソームの酸性化に関連するClcファミリーに着目した。early/recycling endosomeに発現し、小胞の酸性化に寄与しているClc-5をsiRNAを用いて発現抑制したところ、蛋白質分解酵素抵抗性PrP(PrP-res)の量は40%程度にまで減少した。このとき、小胞の酸性化は予想に反し亢進しており、lysosomeも増加していたが、このことがPrP-res分解を促進しているわけではなかった。一方、Clc-5が主に局在するとされるearly/recycling endosomeにより輸送されるtransferrinの輸送速度は減少していた。これを裏付けるように、同経路により輸送され、プリオン合成にも影響していることが知られるコレステロールや、recycling endosomeマーカーであるrab11の局在も変化していた。 以上の研究結果からClc-5発現抑制時のPrP-resの減少は、pH変化よりも小胞輸送経路の変化によって起こっていることが示唆された。すなわち、Clc-5は、エンドソーム経路の特にリサイクリングに関わる部分の輸送に関連し、PrP-res合成に寄与すると考えられた。今後、rab11の恒常活性型変異体の導入や、コレステロール合成経路の活性化などでPrP-res合成を増加させることができれば、PrP^<Sc->senの効率的な分離につながる可能性がある。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)