Project/Area Number |
08J07313
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Gender
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
竹内 愛 Nagoya University, 国際言語文化研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2009: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2008: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | ネパール / ネワール族 / ジェンダー構造 / バギャティ / ケガレ観 / 女性自助組織「ミサ・プツァ」 / 開発ミドルマン / 組織メディエーター / 社会開発 / 農民カースト「ジャプ」 |
Research Abstract |
平成21年度の本研究の目的は、(1)ネワール女性の親族内における多面的地位と身体所作によるその表現方法の解明、(2)「ミサ・プツァ」の「開発ミドルマン」と「組織メディエーター」の役割についての究明、(3)ネワール女性による女性自助組織「ミサ・プツァ」の活動内容の変化についての探究、であった。 まず、ネワール農民カースト「ジャプ」社会では、一般に、男性に対して女性は周縁的にあり、不浄と位置付けられるが、その位置づけは、女性自身のライフサイクルの中でも変化し、また、他者との関係性においても異なり、多面性を持つことを解明した。ジェンダー関係は、長幼の序、家父長制、父系出自原理、「浄・不浄」観等が複雑に絡んでいる。親族内では、夫の長幼の序に準じて、女性の地位は格付けされており、その地位に見合った役割、振る舞いを求められる。更に、このようなジェンダー構造は、日常的に親族内で行われる挨拶である「バギャティ」によって、体現される。 次に、女性自助組織「ミサ・プツァ」は様々なネットワークを持ち、活動を行っていることが明らかになった。ミサ・プツァが内発的発展をし、勢いをつけることができたのは、ジャブ女性の願いと共に、組織としてのメディエーターの力を借り、それが有効に機能したからだと考えられる。メディエーターがミサ・プツァに開発本来の目的とは異なる様々な社会的機能を期待し、女性はその期待に応じて戦略的に各ミサ・プツァの活動内容を組み替えて発展させてきた。また、一方では、ミサ・プツァは、派生的な活動を通して、伝統的ジェンダー構造に挑戦する新しい生き方を生み出している。そして、ミサ・プツァはこれまでマイクロファイナンスを中心に女性の経済的自立を目指してきたが、メディエーターが、その活動は失敗と結論づけ、2009年から急速にミサ・プツァの信用組合化に力を入れていることが明らかになった。
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