フランス哲学を背景としたレヴィナスにおける身体論と時間論の交錯の生成史的研究
Project/Area Number |
08J07382
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Philosophy/Ethics
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
平岡 紘 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2008 – 2010
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
|
Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2010: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2009: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2008: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
|
Keywords | フランス哲学 / 現象学 / レヴィナス / 哲学 |
Research Abstract |
本研究は、レヴィナスの身体論と時間論の交錯を通時的・生成史的に把握することを目的とするものである。本年度は研究計画通り、後期のレヴィナスの思索を、プラディーヌやラヴェルなどのフランス哲学との関係を考察しつつ研究するとともに、研究成果を総合する作業にも着手した。1.身体論について。感覚論研究の継続として、「享受」と「可傷性」によって感覚を定義する後期の感覚論について後者に着目して研究を行った。プラディーヌの感覚論を検討しつつ「接触」論などに着目して読解し、「可傷性」の内実を明らかにした。これにより、この感覚論が、自己保存のためではなく「自己に反して」というあり方をするものとして身体をとらえる身体論と、「他のための一」という概念によって主導される倫理観に直結していることが明らかになった。そしてまた、レヴィナスの感覚論がフッサールやブラディーヌらのそれとの関係で有する独自性についても解明することができた。2.時間論について。(1)「ディアクロニー」概念を主軸とする後期時間論の研究を継続した。上記の感覚論の研究を導きの糸として「原印象」解釈などを読み解き、「ディアクロニー的な過去」の内実を明らかにし、瞬間の過ぎ去りをそのまま受動的に忍耐する倫理的主体の現在が「ディアクロニー」と呼ばれていることを解明した。(2)レヴィナスが一貫して重視する「現在」概念について、ラヴェルの「現在」論を検討しつつ再度研究を行った。これにより、前期の「現在」論が、ラヴェルの「現在」論から強い影響を受けていること、及びレヴィナスにとって絶対的な未来を思考することが現在の時間的性格を確保することに直結していること等を解明した。3.研究成果の総合について。総合作業の端緒として、前期の思索の中心概念である「ある」に関して研究を行い、この概念を提示することがもつ意義を解明し、レヴィナス哲学全体を把握するための視座を獲得した。
|
Report
(3 results)
Research Products
(8 results)