含ケイ素σ結合の活性化による触媒的シリレン種の発生:有機ケイ素化合物合成の新展開
Project/Area Number |
08J07417
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Synthetic chemistry
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
増田 幸平 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2008 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2010: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | シリレン / パラジウム / 有機ケイ素化合物 / シリルボラン / 遷移金属触媒 / 合成化学 / 複素環状化合物 / 結合形成 / パラジウム触媒 / ホウ素化合物 / 有機金属化学 |
Research Abstract |
安定で取扱容易な含ケイ素反応剤から触媒的にシリレン等価体を調製し、ケイ素元素を高い効率で有機分子に導入する新手法の開発を目的として研究を実施した。平成22年度は、交付申請書に記載した研究項目「触媒的シリレン発生法を用いた有機ケイ素化合物の合成法開発」の一環として、まず「アルケニルインドールとの反応」について詳細な検討を行った。重水素化したインドールを用いて反応を検討したところ、特徴的なアリル位重水素の移動が観測された。また、反応はアルケン部位の構造と置換位置に大きく影響を受けることが明らかになり、インドール5員環部の芳香属性を失う[4+1]環化付加と、炭素-水素結合へのシリレンの挿入反応に基づき芳香属性が再生する異性化の、2つの特徴的な素反応過程が関与していることを見出した。 次に上述したインドールの検討で得た知見を基に、「アルケン置換複素環状化合物との反応」への展開を検討した。アルケニル基が置換したベンゾフランおよびベンゾチオフェンと(アミノシリル)ボランの反応を検討したところ、リン配位子を有するパラジウム触媒を用いることで、脱芳香族化を伴ったシリレンとの[4+1]環化付加が効率よく進行することを見出した。本反応で生成した環状ケイ素化合物の変換反応を検討したところ、キノンを用いた酸化条件に付すことにより、シロール構造へ効率よく変換できることを明らかとした。 以上、本年度の研究により従来のフリーシリレンを経由する反応では達成困難な、複素環状化合物の効率的かつ特徴あるシリル化が実現した。本成果はケイ素が関与する触媒反応の新設計指針となり、シロールに代表される機能性有機ケイ素化合物の創出に資すると考えられる。
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Report
(3 results)
Research Products
(11 results)