メタボロミクス手法による植物病理応答の分子基盤の解明
Project/Area Number |
08J07609
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Plant pathology
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小川 拓水 Tohoku University, 大学院・生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | メタボロミクス / 病害抵抗性 / シロイヌナズナ / サリチル酸 / RCY1 / グルコシルトランスフエラーゼ / UPLC-TOF-MS / LC-FT / ICR-MS / メタボローム / 植物免疫 / 二次代謝 |
Research Abstract |
本研究では植物の病原体の進入に対する免疫反応の誘導と代謝調節機構の関係を解明することを目的としている。初年度のメタボローム解析結果から、CMV-Yに対する抵抗性遺伝子RCY1を高発現するシロイヌナズナ(Col::pRCY1#2)の傷害応答が野生型と異なることを見い出した。傷害と病害は密接に関わることが知られているため、傷害刺激による代謝変動と、avirulent pathogen存在下での代謝改変を詳細に調べた。 野生型Col-0の傷害応答誘導過程では、サリチル酸の2種類の配糖体(SAGs)の蓄積量が増加することを見出した。この結果は、植物が傷害ストしスを受けたときに予備的に病害抵抗性の活性化に必要なサリチル酸を不活性な形態として蓄積する可能性を示している(Ogawa et al.,2010)。野生型では傷害処理後24時間にSAGsの増加が認められたのに対し、興味深いことに、Col::pRCY1#2では、SAGsレベルの一過的な増加が傷害処理後1時間以内に認められた。また、CMV-Y処理ではSAGレベルの増加が認められなかった。この結果から、植物の防御応答に関係の深いサリチル酸の生産に先立って、サリチル酸の配糖化の制御がavirulent pathogen依存的に誘導されると考えた。遺伝子発現解析により、この代謝物レベルでの観察結果を裏付ける結果が得られた。 本研究で得られたメタボロームデータの一部はかずさDNA研究所のメタボロームデータベースMassBase(http://webs2.kazusa.or.jp/massbase/)に登録した。このような病傷害応答に伴う代謝変動の公開メタボロームデータは、関連研究者にとって利用価値の高いデータであると考えられる。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)