中央アンデス高地における牧畜活動とその牧民社会における意味に関する人類学的研究
Project/Area Number |
08J07689
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Cultural anthropology/Folklore
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
若林 大我 The University of Tokyo, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2009: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2008: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | 文化人類学 / アンデス / 牧畜 / ペルー / 先住民共同体 |
Research Abstract |
本研究は、中央アンデス高地において古くから行われてきたラクダ科動物を中心とする牧畜について、その社会・経済・生態的機構ならびに、その舞台となる社会に対して牧畜が持つ意味を解明することを目的としている。平成20年度までに、ペルー共和国南部、クスコ県カルカ郡における先住民共同体パンパリャクタ・アルタにて、家畜飼育とその利用に関する実態調査、ならびに牧畜を取り巻く儀礼や神話・民話等の収集を行なっており、今年度はそれらのデータの整理と分析作業を進めた。 パンパリャクタ・アルタにおける牧畜は、自然環境や各世帯の住居の立地、家畜種ごとの飼育頭数などに影響を受けるのみならず、数量的データからだけでは説明できない要素(親族関係をはじめとする共同体内の社会関係、牧草地の利用権、農耕地へのアクセス等)をも巻き込んだ形で成立している。こうした独特な牧畜のあり方は、パンパリャクタ・アルタの人々にとって、牧畜がもはや単なる経済活動ではなく、より象徴的な意味を持つ文化要素(儀礼、神話・民話等)とも密接に関わる、ひいては世界観にも影響を及ぼすものであることを示唆している。 このような観点から今年度は、パンパリャクタ・アルタにおける牧畜活動と世界観との間に関連性があるとすれば、それはいかなるものか、またどのように概念化できるかを、儀礼や神話・民話の分析、先行研究の参照、また記号論や精神分析の理論との比較を通じて検討した。安易に調査地を拡大することなく、ひとつのフィールドを継続的に研究対象とすることで、そこにおける牧畜活動をより牧民自身の視点に沿った形で捉えることができ、研究課題である「牧民社会における意味」に関する考察を深化させることができた。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)