ポリコーム遺伝子Bmi1による造血幹細胞の自己複製と分化の制御メカニズムの解明
Project/Area Number |
08J07957
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Hematology
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
小黒 秀行 千葉大学, 大学院・医学研究院, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2008 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2010: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2009: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2008: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | ポリコーム蛋白 / Bmi1 / 造血幹細胞 / 原発性骨髄繊維症 / 分化制御 / ポリコーム遺伝子 |
Research Abstract |
ポリコーム群蛋白の1つであるBmi1の遺伝子欠損マウスでは自己複製能の障害によって造血幹細胞が維持できないが、Bmi1が抑制する標的遺伝子であるInk4a-Arfを欠損したBmi1 ; Ink4a-Arf欠損マウスにおいては自己複製能が回復する。しかし、Bmi1 ; Ink4a-Arf欠損造血細胞を骨髄移植すると原発性骨髄繊維症を発症して髄外造血や肝脾腫が観察され、Ink4a-Arf欠損造血細胞を移植した場合と比較して早期に死亡する。また、Ink4a-Arf欠損造血細胞を移植した場合ではリンパ腫や肉腫は観察されるものの、原発性骨髄繊維症は観察されていない。Bmi1は一般的に癌遺伝子として考えられているが、この結果から原発性骨髄繊維症においては抑制的に機能すると考えられる。原発性骨髄繊維症は巨核球の異常増加を伴うことから、骨髄と脾臓の切片標本を巨核球の分化マーカーであるCD41で免疫染色したところ、Bmi1 ; Ink4a-Arf欠損造血細胞を骨髄移植したマウスにおいてはCD41陽性細胞が著明に増加しており、巨核球系への分化異常が予想された。本研究においてこれまで行ってきた網羅的遺伝子発現解析により、造血細胞におけるBmi1の新規標的遺伝子群を見出していることから、その中で原発性骨髄繊維症との関連が予想されるいくつかの遺伝子を造血幹細胞に過剰発現させて致死量放射線照射マウスへの移植やin vitroにおけるコロニー形成能を検討した。その結果、2つの候補遺伝子において興味深い現象が観察された。1つは、移植後に髄外造血や血小板増加が観察され、もう1つはex vivo培養後におけるコロニー形成能の増強が観察された。現在、これらの候補遺伝子が原発性骨髄繊維症の新規の原因遺伝子である可能性、Bmi1による巨核球系の分化制御について検討中である。
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Report
(3 results)
Research Products
(10 results)