Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Research Abstract |
組合せ最適化問題の中でも特に,有限集合の部分集合族で要素間に包含関係のないクラッター構造を用いて記述される詰込み問題・被覆問題と呼ばれる一連の問題に対して,組合せ多面体論を駆使した効率的な汎用解法を研究している.特に,理想クラッターにおける分数詰込み問題に対する組合せ的な多項式時間に関する論文(Y.Matsuoka:Fractional Packing in Ideal Clutters)は,数理計画法の代表的な論文誌であるMathematical Programmingへの掲載が決定した.この問題は,最大流問題の他,有向全域木や有向カットの詰込み問題を一般化したものであり,特に有向カットの分数詰込みに関しては,初めての多項式時間解法を与えている.さらに,完全クラッター上の整数被覆問題に対する組合せ的な多項式時間解法に関しても論文を執筆している.この問題は,パーフェクト・グラフの理論と関連が深く,パーフェクト・グラフ上の最小重み彩色問題を解く効率的な汎用解法を与えている. クラッター理論の原型ともいえるネットワーク・フロー理論に関連して,入力グラフが平面グラフに近い場合の最小費用流問題に対する効率的な解法を開発した.平面グラフ上の各種の最適化問題に対する従来の研究は,入力が平面グラフでなくなると全く無力になるというのが常であったが,本研究では,平面グラフに近いという性質を有効に利用する枠組みを提供している.この手法は,離散凸解析におけるM凸劣モジュラ流問題を利用したものであり,平面性に限らず,最小費用流問題を効率的に解くことのできる特殊な構造への「近さ」を有効に利用する枠組みを与えている.
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