Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2010: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2009: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2008: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
|
Research Abstract |
本研究の目的は,ヒト-マウス間のゲノムシンテニー情報をもちいて新規の非翻訳型RNAを予測し,機能解析候補の絞り込みをおこなうための解析プラットホームを開発することである.先年度までに,ヒト-マウス間のゲノムシンテニー情報に基づいたマイクロアレイによって,新規のアンチセンス型RNAの同定を試み,マウス正常組織や乳がんモデルマウスなどで発現変化のあるアンチセンス型RNAを同定した.これらを踏まえ今年度は,(1)アンチセンス型RNA発現が周辺のDNAメチル化に及ぼす影響の解析,および(2)ヒト,マウスのいずれでも観察されるアンチセンス型RNAの発現が片アレルの発現に影響を及ぼすことが知られているUbe3a遺伝子座にフォーカスした解析をおこなった.(1)では,遺伝子領域の両ストランドの発現レベルをマイクロアレイで,またプロモータ領域のDNAメチル化レベルをMeDIP (Methylated DNA immunoprecipitation)アレイで解析した結果,アンチセンス側の発現上昇が,その逆鎖にコードされる遺伝子のプロモータメチル化と発現抑制を引き起こしていると示唆される例を発見することができた.また(2)は,マウス亜種間(C57BL/6JとMSM/Ms)の多型を指標として,複数のSNPタイピングを同時におこなえるプラットホームをもちいて,Ube3a周辺の転写様相をアレル特異的かつ鎖特異的に解析し,これまでより高解像度に可視化することに成功した.本手法は転写産物のみならず,DNAメチル化やクロマチン修飾などもターゲットとすることが可能であるため,遺伝的多型をもちいたエピジェネティクス解析にも有用なものになると思われる.
|