霊長類のコミュニケーションにおける視聴覚統合とその脳内機序の解明
Project/Area Number |
08J08336
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Experimental psychology
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Research Institution | Kyoto University (2009) National Center of Neurology and Psychiatry (2008) |
Principal Investigator |
倉岡 康治 Kyoto University, 霊長類研究所, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2008 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2008: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | アカゲザル / 表情 / 音声 / 自律神経応答 / 脳 / 扁桃核 / 視聴覚統合 / 生理応答 / 神経生理学 |
Research Abstract |
本研究の大きな目的は、コミュニケーションにおける視聴覚統合の生物学的基盤とその脳内機序を明らかにすることである。そのために、霊長類を対象として曖昧な表情を弁別する際に音声が聞こえた結果、表情の弁別にどのような影響が出るかを、行動学や生理学や脳神経科学の手法を用いて調べる計画である。 本年度において、まずコミュニケーションにおける視聴覚統合の影響を生理学的研究により調べた。目的はアカゲザルが同種他個体の表情や音声を見たり聞いたりしてときに生起する自律神経応答において視聴覚統合が起きるか否かを確認することであり、情動生起との関連が示されている鼻部温度の変化と精神性発汗応答を計測した。具体的にはサルに対して、威嚇の表情と音声を刺激に用いて、それぞれが単独で提示されたときと、同時に提示されたときに生理応答を比較した。結果、精神性発汗応答は応答の大きさに有意な差は認められなかった。しかし、鼻部温度の変化を比較すると、表情のみあるいは音声のみの提示の場合より、表情と音声を同時に提示したときのほうが有意に大きく温度は低下した。この結果は、サルのコミュニケーションにおいては、視聴覚情報として伝達されるほうが、それぞれ単独で伝達されるよりも強い情動を引き起こしている可能性を示唆する。この結果については、現在英文学術雑誌に投稿しreviseの段階にある。また、この研究および関連する脳活動に関する英文のレビューを発表した。 次に脳神経科学的研究では、本年度は比較対象となるヒトにおいて顔刺激等を提示して機能的MRIを撮像し、サルに機能的MRI手法を導入する手掛かりとすることにした。その結果、当初サルで解析対象とする予定であった脳領域の賦活を認めることができなかった。そのため、今後はサルに機能的MRI手法を導入する前に、まずヒトにおいて実験デザインなどを検討しなおす必要がある。.
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)