バナッハ空間上の極大単調作用素による非線形半群の生成について
Project/Area Number |
08J08592
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Basic analysis
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
家本 繁 Keio University, 商学部, 特別研究員(PD)
|
Project Period (FY) |
2008 – 2009
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
|
Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
|
Keywords | バナッハ空間 / 極大単調作用素 / リゾルベント / 非拡大半群 / 強非拡大写像 / 非線形半群 / 非伸張写像 |
Research Abstract |
本研究は、Crandall-Liggette(1971)による一般のバナッハ空間上のm-増大作用素による非拡大半群の生成定理を動機として、バナッハ空間で増大作用素と同様に単調性を満たす作用素である単調作用素による非線形半群の生成を研究の目的としたものである。単調作用素の一つの例である劣微分に関する劣微分発展方程式は、超伝導現象の研究との関連が知られており、また数理最適化におけるアルゴリズムの研究等の深化に少なからず影響を与えるものとして本研究の意義を認めることができる。 今年度は昨年度の研究成果を踏まえて、構成したい非線形半群がもつことが見込まれる写像である非伸張写像と強非拡大写像に注目した研究を中心に行った。これらの写像がもつ性質は、本研究で扱うバナッハ空間上の単調作用素から定義されるリゾルベントが満たしているものである。このリゾルベントの概念は、Crandall-Liggette(1971)による方法においても重要な役割を果たしている。我々が目標としている非線形半群において写像の合成が閉じていることが要請されるが、今年度の研究において非伸張写像のみならず、現在投稿中の論文で非伸張写像の拡張として新しく定義した写像でさえ、写像の合成が閉じていないことが明らかになった。一方、強非拡大写像は写像の合成が閉じていることはすでに既知の事実であるが、ほぼ同時期から盛んに研究されていた非拡大写像と比べ、研究が遅れている写像である。この強非拡大写像を用いて信号処理等の工学的応用を目的とした研究成果を得ており、それに関する論文も現在投稿中である。この研究成果は、微分作用素を扱うものであり本研究と密接に関わる発展方程式と結びつく可能性を秘めている。これは、第二年度に提示した本研究の問題解決のアプローチによるものである。
|
Report
(2 results)
Research Products
(9 results)