Project/Area Number |
08J08815
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Synthetic chemistry
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
榊原 顕 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | アジリジン / トシル基 / Bus / SES / β-アミノカルボニル / Y-ラクタム / 1,5-amino-alcohol / 脱保護 |
Research Abstract |
金属錯体存在下、アジリジンとジアゾエステルから四員環アミノ酸を得ることは達成できなかったものの、以下の点で成果を挙げた。アジリジンをジチアンを用いて開環するテーマに従事した。これまではトシル基を窒素上に有するアジリジンをリチオ化されたジチアンを用いて開環する例しかなかったが、開環生成物のトシルアミドを脱保護するのに過酷な条件を必要とし、有機合成的価値が少なかった。そこで、より脱保護能の高いスルホニル基を窒素上に導入したアジリジンに対しリチオ化されたジチアンで開環させることを検討した。結果、tert-Buthylsulfonyl(Bus)と2-trimethylsilyl-ethylsulfonyl(SES)の二つの保護基を有するアジリジンは、リチオ化されたジチアンによって円滑に開環した。Busを有するアジリジンに関してはオレフィン・アルキル・フェニル・エーテルといった様々な官能基を有するアジリジンが、官能基修飾されたリチオジチアンでもって開環した。SESを窒素上に有するベンジルアジリジンに関しては、フェニル基とカルボキシラートを有するリチオジチアンを作用させたところ、円滑に開環反応が進行した。一方、無置換のリチオジチアンとTMSを有するリチオジチアンを基質に用いたところ、複雑な混合物が得られた。これも以下のようにリチオジチアンの塩基性に着目することで考察できる。無置換のリチオジチアンとTMSリチオジチアンは高い塩基性によってSESのスルホニル基のαプロトンの脱プロトン化を起こしてしまい、これが複雑な混合物を与える原因となる。一方、フェニル基とカルボキシラートを有するリチオジチアンは塩基性が低いためにαプロトンの脱プロトン化を起こさずに円滑に開環反応を進行させる。既報の化合物の酸性度のデータと照合することで、この仮説は成立する。以上より、アジリジンに関してはBus・SESを持つアジリジンをリチオジチアンでもって開環した。様々なβ-アミノカルボニル・Y-ラクタム・1,5-amino-alcoholが得られた。基質の適応範囲はpKaで説明ができる。開環生成物の脱保護にも成功した。
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Report
(1 results)
Research Products
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