Project/Area Number |
08J08820
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Morphology/Structure
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
安藤 俊哉 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2008 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2010: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 鱗翅目昆虫 / 触角 / 形態進化 / 変態 / モルフォゲン / カイコ / 形態形成 / 分子生物学 |
Research Abstract |
鱗翅目昆虫(ガ類)は夜行性生活への適応からフェロモンの受容効率が高い鳥の羽根の様な側枝構造を持つ触角を獲得してきた。本研究では進化の過程で、この構造がどのように獲得されてきたのかを分子発生学的観点から明らかにすることを目的とした。昨年度までに、カイコの触角では触角形成に関わるモルフォゲン遺伝子が全て各側枝をなぞるように分節状に発現していることを見出したので、その発現パターンが現れるメカニズム及び、他の昆虫で見られないその発現パターンが獲得された進化的な背景を明らかにすることを目指した。本年度は、(1)カイコの触角におけるRNAi法の開発、(2)側枝を持たない鱗翅目昆虫での遺伝子発現解析の2つのアプローチで研究を遂行した。 (1)に関して、カイコの触角における機能解析系として効率良くRNAiの効果が得られる条件を見出すことに成功した。昆虫の触角は発生過程で、等間隔に分節を形成する過程があり、Notchシグナルがそれを制御することが知られている。他の昆虫で見られないモルフォゲンWgの分節状の発現を生じさせる原因としてNotchシグナルに着目し、その機能を阻害した。その結果、Wgの分節状の発現パターンが消失した。この結果は、NotchシグナルがWgの発現を制御するというカイコ特有の制御が存在することを示している。 (2>に関して、鱗翅目昆虫の中で側枝を持たないヨトウガにおいてカイコの側枝の予定領域で発現する遺伝子の相同遺伝子の発現パターンの比較解析を行った。その結果、モルフォゲン遺伝子はカイコと同様の分節状の発現パターンを示すのに対して、転写因子遺伝子はカイコでのみ側枝形成に関わる領域をなぞるパターンを示した。この結果は、進化の過程でモルフォゲン・転写因子といった複数の制御遺伝子が段階的に発現領域を変化させ、側枝の形態形成に適した領域を形成するようになったことを提示している。
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