ベイズ推定による脳内異種情報統合のモデル化および推定計算の神経機構に関する研究
Project/Area Number |
08J08988
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Cognitive science
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 好幸 The University of Tokyo, 生産技術研究所, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | ベイズ推定 / 適応現象 / Bayesian calibration / Lag adaptation / 計算論的神経科学 / Dynamic Bayesian network / 分散学習 / 視覚的特徴結合 / 視覚的注意 / lag adaptation / 結合錯誤 |
Research Abstract |
本年度は,昨年度得られた適応現象についての重要な研究成果を発展させることに重点を置いた.昨年度は近年発見された二種類の逆のタイプの適応現象が,知覚のベイズモデルにおける尤度関数と事前確率の適応的獲得をダイナミックベイジアンネットワークモデルによりモデル化することで統一的に説明可能であることを示した.本年度は,対象としている現象の本質だけを抽出しこのモデルをより単純化することで,昨年度までのモデルで仮定していた非自明的な仮定を取り払ってもモデルを解析することが可能であることを示した.これにより適応のタイプを決める要因をより明確にした.実験における提示刺激の時系列の統計的性質をコントロールすることで適応現象をコントロールすることが可能である,という重要な予測が構築したモデルから得られた. また,知覚のベイズモデルにおいては尤度関数や事前確率分布の分散が非常に重要なパラメータとなる.人間は刺激の事前確率分,布の分散パラメータを適応的に学習できることが実験的に知られている.このような分散パラメータ学習を単純なベイズモデルによりモデル化することで,実験的性質を非常に精度よく再現できることを示した. 適応現象のモデル研究において予想以上の研究成果を得たため,本年度はモデルの研究に力を注ぎ実験的研究にまでは至らなかった.しかしモデルから実験手法についての重要な提案をするなど,直接的に実験検証可能な予測を得たことで,モデルと実験の橋渡しとしての役割は大いに果たすことができた. ベイズ推定の脳内機構についての研究は直接的成果を上げることはできなかったが,知覚の心理物理学的研究とその脳内機構との橋渡しとして適応現象は重要な研究対象となっているので,以上に述べたような適応現象についての研究が将来的なベイズ推定の脳内機構の研究への一途となることが期待できる.
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)