Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Research Abstract |
近年,医用画像診断装置の発達に伴い,高精度な診断を行うと同時に,その情報を用いた低侵襲治療が望まれている.そこで本研究では,MRI内で穿刺手術などの低侵襲手術を支援することを目的として,実空間とMRI画像の重畳(オーバーレイ)表示を用いた直感的なナビゲーションシステムと,穿刺手術位置決め支援マニピュレータシステムを有するオープンMRI誘導下手術支援システムの開発を行った. 具体的には以下を行った. オーバーレイ表示によるナビゲーションシステムとして,オープンMRI対応LCDを用いた断層画像オーバーレイ表示ナビゲーションシステムとLCDを用いたオープンMRI対応三次元立体画像オーバーレイ表示システムを開発した.これらにより,オープンMRI内でLCDを用いて断層画像および三次元立体画像によるオーバーレイ表示ナビゲーションが可能となった.そして,断層画像のオーバーレイ表示精度の評価を行った.結果,オーバーレイ表示精度は平均誤差1.4mmであった. 肝腫瘍への穿刺支援を目的とした体動及び患部の変形に追従可能な穿刺角度補正機能を有するマニピュレータシステムとして,オープンMRI対応マニピュレータによるMRI画像誘導下穿刺手術支援システムを開発し,取りだした豚肝臓に対してターゲットを埋め込み,ターゲットに対してマニピュレータで位置決めし穿刺精度評価を行った.結果,術前・術中MRI画像に基づいた穿刺位置決めでは平均誤差2.2mmで穿刺可能であった. MRI近辺での漏洩電磁波強度の指標と漏洩電磁波の強度に対して行うべき電磁波対策の基準は未だない.このため,0.2TオープンMRIに電磁波を放射し,0.2T MRIの共鳴周波数帯域と1共鳴周波数帯域以外の電磁波がMRI画像に与える影響の評価を行い,撮像コイル周辺で画像に影響を与える電磁波の強度を評価した.結果,共鳴周波数帯域以外ではMRIの撮像原理道理に画像にほとんど影響を与えなかった.また,共鳴周波数帯域では,コイル周辺で磁界強度を-71.85dBμA/m以下とすることで画像に影響を与えなくなことを明らかとした. 以上の結果より,開発したオープンMRI誘導下手術支援システムのオーバレイ表示システム部はナビゲーションシステムとして十分な精度を有していると考えられる.また,穿刺位置決めシステム部は穿刺時に変形しづらい部位のみならず,肝臓などの変形しやすい臓器中のターゲットに対しても安全に穿刺することが可能であると考えられる.
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