斑入り変異体を利用した葉緑体分化制御機構とその意義の解明
Project/Area Number |
08J09092
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
植物生理・分子
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
三浦 栄子 Okayama University, 資源生物科学研究所, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | シロイヌナズナ / 葉緑体 / 斑入り / オルガネラ |
Research Abstract |
当初の研究実施計画にあったように、本年は順調に計画を進行することができた。まず、マイクロアレイ解析による発現比較を行った。var2緑色セクターではROSが蓄積していたにも関わらず、ROSが関与するシグナル経路の遺伝子群に発現変動は見られなかった。一方で、白色セクター特異的に抗酸化酵素を含むストレス関連遺伝子の発現が高くなっていることをGO解析により明らかにした。次に、Cu/ZnSOD2のセクター間で異なる発現制御機構を理解するために実施した実験では、Cu/ZnSOD2発現が細胞内銅濃度の影響を受けており、その制御にマイクロRNAが関与していることを示した。また、var2白色セクターでは予想通り、プラストシアニンの蓄積がほとんど検出されなかった。細胞内金属イオン含量をICP-MSを用いて測定した結果、野生型とvar2各セクターともに同等の含量であった。これらのことから、白色セクターではプラストシアニンの代替としてCu/ZnSOD2がプラスチド内の銅タンパク質として誘導されている可能性が高くなった。さらにマイクロアレイ解析及びイムノブロット解析により、プラスチドにおける鉄貯蔵タンパク質であるフェリチンも白色セクター特異的に高蓄積していることを見出した。鉄も光合成タンパク質に必須の補因子であるが、白色セクターではそれらの代替として、フェリチンが誘導されていることが考えられる。 これらの結果は、微量必須元素ではあるが遊離形態だと細胞毒性を引き起こす鉄や銅などの金属イオンが、酸化ストレス(金属ストレス)を引き起こさないための生存戦略の一環として理解できる。 もう一つの研究計画であったvar2のPst DC3000に対する抵抗性評価では、予想に反して抗酸化酵素の高発現は抵抗性に寄与しないことを明らかにした。そのため、var2で観察される抵抗性は既知の抵抗性誘導応答によるものではなく、ROSの直接的な抗菌作用と貧栄養が原因の増殖抑制であることが示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)