Project/Area Number |
08J09189
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Polymer chemistry
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鈴木 大介 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2008: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 高分子微粒子 / 高分子ゲル / BZ反応 / コロイド・界面化学 / 分散凝集 / 振動反応 |
Research Abstract |
自律的かつ周期的に体積変化をするゲル微粒子合成の詳細検討、および、それらの機能制御を試みた。まず、金属触媒が酸化還元振動するBZ反応の金属触媒(Ru(bpy)_3錯体)を、ゲル微粒子の自律的な振動の駆動源としてゲル微粒子内部に固定化し、その酸化還元振動と同期したゲル微粒子の体積振動を生起させることに成功した。 次に、Ru(bpy)_3をゲル微粒子内部に固定した効果を明らかにするために、重合時の仕込み架橋剤濃度を変化させて得られたゲル微粒子を用い、振動周波数の温度依存性を検討した。ゲル微粒子が膨潤している状態では、触媒がゲル微粒子で包まれていない従来のBZ反応系と比較すると、触媒をゲル微粒子内部に固定し、さらにゲル微粒子の架橋密度を高くすることで、振動周波数は高くなる傾向を示した。一方、体積相転移直前では、ゲル微粒子を用いた系において仕込み架橋剤濃度によらず振動周波数はほぼ一致した。pNIPAm系ゲル微粒子では、体積相転移直前ではゲルの網目サイズがほぼ等しいことに起因すると考えられる。Ru(bpy)_3をゲル微粒子内部に固定した効果をより詳細に検討するために、FKNモデルにより、振動反応で得られた振動波形を3つのプロセスに分割した。触媒還元プロセスの一周期をしめる割合が、触媒をゲル微粒子に内包し、さらにゲル微粒子の架橋密度が高くなるほど大きくなった。一方、触媒反応が支配的でないプロセスAはプロセスCと逆の傾向を示した。FKNモデルから巨視的に考えると、BZ反応の触媒をゲル微粒子に内包した結果、触媒が関与する反応速度が低下することにより、振動リズムに変化が生じることが示唆された。また、BZ反応に必要な酸・酸化剤・還元剤濃度をそれぞれ変化させた一連の検討結果からも、Ru(bpy)_3の固定化が同様な振動リズムの変化につながることを示すことができた。
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