Project/Area Number |
08J09484
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Condensed matter physics 1
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
田中 隆之 名古屋大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2008 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2010: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | ニュートリノ / ダークマター |
Research Abstract |
本年度は地球方向のダークマターWIMP起源イベントに着目した解析を行った。WIMPは地球でspin-independent散乱を起こして地球の重力場にトラップされた後、地球中心方向に集積され対消滅を起こし、最終的にニュートリノを放出すると考えられている。そこでスーパーカミオカンデ検出器にて今まで取得された3109.6日分の上向きミューオン(upmu)イベントを用いて地球中心からやってくるイベントの到来方向分布を調査した。バックグラウンド源である大気ニュートリノに対して有意なWIMP起源イベントは観測されなかった。そこで、地球中心方向WIMP対消滅起源upmuイベントのフラックスリミット、WIMPと核子のspin-independent散乱断面積リミットを算出した。 この手法でspin-independent反応断面積にリミットを付けた他の実験は類が無く、他実験への一つの指標を作ることが出来た。これらの結果はneutrino2010国際会議、Novel Searches For Dark Matter 2010などの国際学会にて発表され、APJ誌に論文を投稿中である。 また、現行の解析手法の問題点や誤差、また将来に向けてさらに精度のよい解析手法に関して議論するために、宇宙素粒子研究の世界的な機関であるオハイオ州立大学のCCAPPに赴き一カ月半程度滞在した。そこでは、現行の手法に内在するさまざまな不定性をリストアップしそれらの影響の大きさをまとめた。これらは以前よりニュートリノを用いたWIMP探索に関して多くの研究者が興味、疑問に感じていた部分でありそれらに対する初めて明確な回答が出せたといえる。この研究結果に関してはオハイオ州立大学のCarsten Rott氏との共著論文としてJCAP誌に投稿予定である。 以上のようなWIMP解析(昨年度行った太陽方向からのWIMPイベント探索も含む)を柱として、以前から進めていたスーパーカミオカンデでの各種キャリブレーション、upmuイベントサンプル作りに関してなどをまとめ、博士学位論文として執筆した。
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