Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Research Abstract |
固体高分子形燃料電池(PEFC)の実用化へ強く求められている低加湿運転下における高性能化へ向け,水分制御技術の確立が必要不可欠となっている.PEFCは,電解質膜を含水させることで高性能化を図ることが出来るため,電解質膜内への水分輸送を促進させることが重要であると考えられる.そこで本研究では,その方策の一つとして期待されている微細孔層(MPL)の電解質膜内水分輸送現象へ及ぼす影響について,核ラベリング磁気共鳴画像法(NL-MRI)を用いて解明を進めた. 核ラベリング磁気共鳴画像法によって水分輸送現象を定量的に評価するためには,白金触媒上における水素核の同位体交換反応割合の定量化が必要であったが,ダイレクト質量分析装置(DGMS)を用いた実験によって定量化に成功した.その上で,NL-MRIによるPEFC電解質膜内含水分布計測を行った結果,酸素極側に挿入したMPLによって,低加湿運転下における膜含水量が向上し,その向上の要因が,発電生成水による電解質膜含水が促進されることであることを明らかにした. ここで,PEFC低加湿運転下においては,外部から供給する加湿水量が減少するため,発電生成水による電解質膜含水が重要となってくる.つまり,本研究において明らかになったMPLによって発電生成水による電解質膜含水が促進されるという知見は,低加湿運転における水分制御へ向けて,MPLが有効であることを示しており重要な知見である.
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