Project/Area Number |
08J09578
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Japanese language education
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
新井 正人 Tokyo Metropolitan University, 人文科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2008: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | 中間言語 / 名詞修飾 / チャモロ語 / サイパン / テニアン / ロタ / 転移 / 干渉 |
Research Abstract |
サイパン、テニアン、ロタにおいて日本統治時代に日本語教育を受けた高年層話者を対象にした聞き取り調査を行い、その中間言語的文法特徴を分析し、その中に変異が見られながらも規則性が見られ、イ形容詞、動詞の非修飾の名詞を「とき以外の一般名詞」と「とき」に分けて分析を行った結果、はっきりとした違いがあらわれ、その要因の一つとして母語であるチャモロ語にあることが分かった。イ形容詞、動詞による名詞修飾を<とき>と<とき以外>の一般名詞に分けて分析を行ったところ「空襲終わったとき」のような「動詞+とき」の構造は全248例のうち、91例を占めていたが、「動詞+の+とき」の誤用はゼロであり、誤用が見られる9例はすべて一般名詞にあった。イ形容詞の場合も同様であった。<とき>と<とき以外の一般名詞>で「の」を使い分けている理由として、チャモロ語が影響しており、日本語では、<とき>も形式名詞であるゆえ、一般名詞と同じように修飾を受けるが、チャモロ語では<とき>に相当する表現(anai)は文法的に名詞ではない。なお、これは日本語の「動詞+とき」の語順とは違い「anai+動詞」になっているので、この文法事項そのものはマリアナ地域の人たちが話す日本語に転移されているわけではないが、直接的な転移ではなく、間接的な干渉であるということである。すなわち、彼らの頭では、<とき>に関する表現と、その他の名詞修飾節とは違う文法事項によって構成されるのである。その構造とはすなわち「空襲+とき」、「赤ちゃん+とき」のように、<とき>という名詞の修飾は「A+B」になる。つまり<とき>形式は、ひとつの複合語(また、<とき>を接尾辞)として認識されている。その証拠として、これらの語を実際に聞いたところ、イントネーション曲線が一つの繋がりであり、ポーズも入らない。このようにマリアナ諸島の人たちは、一つの語としてこれらの語を認識している。
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