Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Research Abstract |
結晶性でかつ円筒状の一次元細孔を持つ,[M(H_2bim)_3](TMA)・nH_2O(M=Cr, Co, Ru)内部に閉じ込められた一次元水の熱測定の比較解析を進めた.既報の非晶性一次元細孔壁を持つMCM-41シリカとの比較により,細孔壁が結晶性あるいは非晶性の違いは,細孔水の低温秩序構造を決定づける重要な因子であることを明らかにした.また,前年度に合成した二次元シリカ(膜厚d=3.7, 2.9, 2.7, 2.3nm)内部に薄膜水を閉じ込め,熱測定を行った。これより,内部に閉じ込められた二次元薄膜水は,膜厚の減少とともに,融点降下することを見いだし,水の膜厚に対する融点の状態図を作成した.得られた状態図は,既報のMCM-41シリカ細孔水と異なることから,一次元水とは異なった構造を持つ二次元水の存在の確証を得た.さらに,断熱型熱量計によるエンタルピー緩和速度測定から,細孔壁の近傍に存在する二次元界面水のガラス化を観測し,そのガラス転移温度T_gは膜厚に依らず,134Kと一定値を示すという結果を得た.これを既報の一次元界面水における,細孔径の増加に対するT_gの増大傾向と比較して,一次元界面水の細孔径無限大の極限としての二次元界面水のT_gが,一定値を示すことを提案した.このモデルは,長年論争中のT_g=136Kを示す蒸着非晶質氷の構造解明にも貴重な示唆を与える.このような形状制御した細孔水について,その挙動が実験的に明らかにされたことは,今後の凝縮体科学にとって大変重要に貢献するものと期待される.
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