"Site Isolation"を利用する固体塩基を用いる新規電解反応の開拓
Project/Area Number |
08J09662
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Synthetic chemistry
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
栗原 均 Tokyo Institute of Technology, 大学院・総合理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2008 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 活性点分離 / 固体塩基 / 脱プロトン化 / 電解メトキシ化反応 |
Research Abstract |
固体塩基を用いる電解反応システムに活性点分離の概念を組み込んだ新しい電解手法の確立を図った。活性点分離とは、一般に酸と塩基のような性質が相反する試薬を同一反応容器内に共存させる場合、活性官能基同士が接触、失活し、反応を行うことが出来なくなることから、活性官能基をそれぞれ不溶性ポリマーに担持し活性官能基同士が接触、失活するのを防ぐことで、同一反応容器内に共存させることができるというものである。一方、これまでの固体塩基を用いる有機電解反応の研究から、固体塩基が電気化学的に安定であるという知見が得られている。これらの背景を踏まえ、固体に担持された塩基と電極が電気化学的に活性点分離された状態にあるとみなし、活性点分離の概念を組み込んだ新規電解手法を構築した。モデル反応として酸化的脱プロトン化過程を伴うフルオロエチルフェニルスルフィドの電解メトキシ化反応に着目した。脱プロトン化を促進させるために塩基存在下で電解酸化を行うことは、塩基が酸化されやすいために概して困難であることから、活性点分離された塩基を用いることで、脱プロトン化を促進させることとした。その結果、塩基存在下では反応が進行せず原料が回収されたのに対し、活性点分離された塩基である固体塩基を用いた場合では対応するメトキシ化体を86%と良好な収率で得ることに成功した。このことから、活性点分離された塩基によって脱プロトン化が促進され、電解メトキシ化が円滑に進行することが明らかとなった。これまで、電解反応は電位に依存して反応が選択的に進行することから、反応に用いる試薬の選択には制限があった。従って、活性点分離の概念の導入は、例えば、活性点分離された炭素求核剤を用いる直接的C-C結合形成や、活性点分離された酸を用いる還元水素化など、新たな電解反応の広がりを期待できる。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)