小型魚類を用いた配偶者選別に関わる脳領域の同定、及びその進化・発生学的起源の解析
Project/Area Number |
08J09680
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Developmental biology
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
奥山 輝大 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員DC1
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Project Period (FY) |
2008 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2010: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 配偶者選択行動 / GnRH / CXCR / 初期応答遺伝子 / 配偶者選別行動 / 変異体スクリーニング |
Research Abstract |
CXCRシグナルは終神経GnRHニューロンの形態形に関わる 近年、マウスとゼブラフィッシュにおいて、CXCRシグナルがGnRH(ゴナドトロピン放出ホルモン)ニューロンの発生に関与することが報告され、当該変異体の行動異常がGnRHニューロンの発生異常に起因する可能性が考えられた。脊椎動物には3種類のGnRHニューロンが存在するが、その中でいずれの発生にCXCRシグナルが働くかは不明であった。CXCR7-MOとCXCR4-MOの注入の結果、視索前野GnRHニューロンの発生は正常であった一方、終神経GnRHニューロンは細胞移動に異常が生じて、異所的な軸索投射が生じた。また、CXCR7-/-gnrh3-gfp系統では同様に、終神経GnRHニューロンの形態形成異常が観察された。以上から、メダカでは終神経GnRHニューロンの細胞移動に、CXCRシグナルが必要であることが示された。 終神経GnRHニューロン破壊個体は、求愛受け入れが異常に亢進する 3種類のGnRHニューロンのうち、視索前野GnRHニューロンは、脳下垂体へ投射してゴナドトロピン(LH・FSH)の放出制御を介して性成熟・排卵を制御している。一方、終神経GnRHニューロンは網膜・嗅球から小脳に至るまで広範囲に軸索を投射するという特徴的な形態を示し、オスの性的動機付けに関わると示唆されていたが、メスでの役割や配偶者選択行動における役割は不明であった。そこで終神経GnRHニューロンがメスの求愛受け入れに関与するか調べる目的で、GFPガイドレーザーアブレーション法により、終神経GnRHニューロン特異的な破壊実験を行った。その結果、終神経GnRHニューロン破壊個体メスでは「見知らぬオスも受け入れる」という求愛受け入れの異常な亢進、オスでは求愛円舞数の減少が見られ、これはCXCR7/4変異体の行動異常と同様であった。 オスの視認は、規則的自発発火の頻度を上昇させる オスの視覚情報がメスの終神経GnRHニューロンへ伝達される可能性を検討するため、電気生理学的手法により、メスの終神経GnRHニューロンの規則的自発発火パターンを記録した。その結果、配偶行動を頻繁に行う若い成体メスでは、配偶相手のオスを視認した後に自発発火頻度が上昇した。一方、性成熟前のメスや性成熟してない老齢メスでは自発発火頻度上昇は観察されず、発火頻度は非常に低かった。以上から、オスの視認とメスの終神経GnRHニューロンの自発発火の頻度との間に相関関係があることが示された。
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Report
(3 results)
Research Products
(16 results)