メダカの群れ行動に関わる神経・分子的基盤とその発達機構の解析
Project/Area Number |
08J09704
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Animal physiology/Animal behavior
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
今田 はるか The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2008 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 小型魚類 / 視運動反応 / 協調的行動 / 同種認識 |
Research Abstract |
本研究では、メダカをはじめとする小型魚類2個体が同時に視運動反応を誘導された際に見せる、個体間相互の協調的な行動に注目している。本年度は、各個体が協調的行動を見せる際に、他個体を同種として認識しているかどうかを検証するため、2個体の組み合わせを変えて、個体の関係(性別・種・系統など)がこの行動におよぼす影響を詳細に解析した。また、協調的行動の発達過程を、成長を追って解析した。 その結果、性別の組み合わせ(オス同士、メス同士、オスメス)、系統の組み合わせ(同系統、異系統)によらず、メダカ2個体に同時に視運動反応を誘導すると、個体間距離が2〜4cmとなる頻度が高くなった。また、メダカ以外に視運動反応を示す小型魚類として、ゼブラフィッシュおよびフグを用いて、それぞれ同種2個体を組み合わせ同様の実験を行ったところ、やはり一定の個体間距離をとる頻度が高くなる傾向が見られた。一方で、異種2個体を組み合わせると(メダカー淡水フグ、メダカーゼブラフィッシュ)、2個体同時に視運動反応を誘導しても、個体間距離は安定しなかった。 さらに、同系統のメダカを孵化直後より集団飼育および隔離飼育して、それぞれ孵化後4日目・7日目・10日目・14日目に行動解析を行った。隔離飼育個体同士、集団飼育個体同士でペアを作り、2個体同時に視運動反応を誘導したところ、どのペアも、1個体単独では視運動反応が観察されたにも関わらず、個体間の距離は一定に保たれなかった。 以上の結果から、今回用いた小型魚類(メダカ、ゼブラフィッシュ、淡水フグ)は本実験系において、同種を認識し、個体間距離を保とうとしていると考えられる。さらに、そうした他個体との距離を保つ能力は、生得的に備わっているものではなく、成長に伴って発達する可能性を示唆した。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)