Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2010: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Research Abstract |
地盤の変形予測には,土の応力・ひずみ関係を記述する構成モデルに基づいた数値解析が有効である。これまでに練返し飽和土を用いた室内要素試験(主に三軸試験,圧密試験)の結果を参照して,幾つかの構成モデルが提案されているが,種々の実地盤状態を統一的に表現するモデルはこれまでにない。本研究では,(1)応力履歴に起因する土の誘導異方性,(2)クリープ特性および温度依存特性,(3)土の不飽和状態,これらの影響を考慮する構成モデルを開発し,地盤の総合的な変形・破壊予測手法の確立を目指す。 (1)三軸ならびに三主応力試験機を用いて,砂質土の繰返し載荷時の変形特性の検証を行った。結果より"過去に受けた応力履歴に類似する載荷を与えると,誘導異方性によって土は剛性が高く,膨張しやすい挙動を示す","高い剛性を示しながら体積変化がバランスする繰返し定常化挙動は,上述の誘導異方性の蓄積である"。(2)地盤材料の強度変形特性は時間(クリープ変形,応力緩和)および温度(熱収縮,熱圧縮)に大きく依存する。過去の研究成果および,本研究グループで行った実験結果を参考に,"ひずみ速度の増加(減少),温度低下(上昇)に伴い,土の正規圧密線および限界状態線は上昇(下降)する"という関係を導いた。実験結果を忠実にモデル化するとともに,提案モデルの適用性を検証異した。(3)降雨時の斜面崩壊の要因として,地下水面の上昇により間隙水圧が増加し,土が緩むためと一般的には考えられる。しかしながら,多くの自然地盤は不飽和土で形成されており,浸水時のコラプス挙動も崩壊要因になり得ると考えられる。そこで,三軸試験機を用いて斜面を想定した異方応力状態における浸水試験を行った。結果から,"異方応力状態では浸水時に体積変化だけでなくせん断変形も生じる","応力比が大きいほど浸水時の変形は顕著になる"。また去年度までに提案したモデルは,実測値の挙動を適切に再現する。
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