ドイツ法とEU法における企業組織変動に係る労働関係法制に関する研究
Project/Area Number |
08J09914
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Social law
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
成田 史子 The University of Tokyo, 大学院・法学政治学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2008 – 2009
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
|
Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2009: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2008: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
|
Keywords | 事業譲渡 / 会社分割 / 合併 / 労働契約 / 労働関係の帰趨 / 民法典 / 組織再編法 / 異議申立権 / 労働法 / 事業所委員会 / 組織変更法 / 事業変更 / ドイツ / 従業員代表 |
Research Abstract |
企業組織再編、すなわち、(1)事業譲渡、(2)合併、分割等が計画・実施される際の労働規制法、とくに労働関係の帰趨について、ドイツ法を対象に研究を行った。 ドイツでは、(1)事業譲渡については民法典613a条、(2)合併・分割等については組織再編法(Umwandlungsgesetz)において、それぞれ規制がおかれている。 事業譲渡(Betriebsubergang)が行われる際には、民法典613a条においては、労働関係を強制的に移転し、かつ事業譲渡を理由とした解雇および集団的労働条件(労働協約・事業所協定等)も含めた労働条件の不利益変更を禁止する規制が設けられている。ドイツでは、事業譲渡は、日本と同様、事業に属する権利義務の移転に際して、個々の債権者の同意を必要とする個別(特定)承継の考え方によって処理されると解されている。しかし、労働関係については、民法典613a条により特別の規制がなされており、労働関係は新たな事業所有者へ強制的に移転する旨が定められているのである(民法典613a条1項)。しかし、このような労働関係の強制移転を望まない労働者も考えられるところ、そうした労働者に対しては、異議申立権(Widerspruchsrecht)が認められている(民法典613a条6項)。また、ドイツでは、日本と同様に、個別(特定)承継と包括権利承継が区別されており、労働関係の移転に関しても、上記の事業譲渡の際の個別(特定)承継の場合と、合併(Verschmelzung)等の際の包括権利承継による場合とが区別されていた。しかし、1994年に分割(Spaltung)や合併等の企業組織再編を規制する組織再編法(Umwandlungsgezetz)が制定され、包括権利承継の立場がとられている分割や合併においても、強制的な労働関係の移転について規制する民法典613a条の一部の適用を前提とする立法がなされた(組織再編法324条)。 これらの立法過程での議論や、争い・学説等を検討し、ドイツにおける企業組織再編の際の労働関係の帰趨や労働者保護の制度に関して詳細に検討を加え、そのプラスの面とマイナス面を検討することで、日本法に問題点等を浮き彫りにした。
|
Report
(2 results)
Research Products
(8 results)
-
-
-
-
-
-
[Journal Article] 労働基準法4条2008
Author(s)
成田史子
-
Journal Title
『雇用平等法制の比較法的研究-正社員と非正社員との間の賃金格差問題に関する法的分析』財団法人日本労働問題リサーチセンター 財団法人日本ILO協会 報告書
Pages: 31-50
Related Report
-
[Journal Article] 事業所組織法2008
Author(s)
成田史子
-
Journal Title
『雇用平等法制の比較法的研究-正社員と非正社員との間の賃金格差問題に関する法的分析』財団法人日本労働問題リサーチセンター 財団法人日本ILO協会 報告書
Pages: 167-184
Related Report
-