固体高分子形燃料電池の白金触媒の劣化機構の解明と高耐食性触媒の開発
Project/Area Number |
08J10022
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Material processing/treatments
|
Research Institution | Tohoku University (2010) Tokyo Institute of Technology (2008-2009) |
Principal Investigator |
菅原 優 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教
|
Project Period (FY) |
2008 – 2010
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
|
Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2010: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
|
Keywords | 固体高分子形燃料電池 / 白金触媒 / 溶解 / 電気化学活性面積 / 腐食 |
Research Abstract |
固体高分子型燃料電池(PEFC)では、運転中の白金触媒の電気化学活性面積(ESA)の減少が問題となっている。そこで、PEFCの作動環境を模擬した電位サイクル条件において生じる白金の溶解が、ESAに与える影響を検討した。電析により粒径10nm以下の微粒子を含む白金電極を作製し、0.5M硫酸中での電位サイクル溶解試験(電位範囲0.0~1.4V、走査速度100mVs^<-1>)を行うと、100サイクルあたり約20ngcm^<-2>(面積としてサイクル前後の平均値を用いた場合)程度の溶解が見られ、同時にESAは50%ほど減少した。このESAの減少はSEM観察やXRDの分析から、白金微粒子の消失によることが分かった。一方で、電位範囲0.0~1.0Vにおける電位サイクルを行うと、溶解量は約30分の1に減少したがESAの減少量はほとんど変わらなかった。同様に溶液のpHを変化させて電位サイクル試験を行った場合でも、白金の溶解量によらずESAが大きく減少した。このことは、本研究で用いた白金電極のESAの減少が主に白金粒子の凝集に起因することを示している。また、溶解の起こらない電位での定電位試験ではESAが大きく減少しなかったことから、白金の溶解と同様に白金粒子の凝集も電位サイクルにより促進することを明らかにした。さらに電位範囲を変えて行った電位サイクル試験から、白金粒子の凝集も白金の酸化・還元反応の繰り返しにより加速することが分かった。これらの結果はPEFCの白金触媒において、白金粒子同士が接触した部分が、PEFCの稼働環境において優先的に凝集することを示唆している。本研究の結果は、触媒の形態による白金触媒の耐久性の違いについて言及しており、今後の触媒開発の大きな指針になると期待される。
|
Report
(3 results)
Research Products
(22 results)