Project/Area Number |
08J10074
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Functional biochemistry
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高原 照直 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2008 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2010: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2009: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2008: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | mTOR / アミノ酸 / 酵母 / シグナル伝達 |
Research Abstract |
前年度に引き続き、TORC1活性制御に関わる新規分子の同定に向けて、TPCKの標的分子として得られたDLATの解析をおこなった。DLATの過剰発現やノックダウンにより、TPCKによるmTORC1阻害能が変化するかを、S6Kリン酸化や4EBP1のリン酸化について調べたが、ほとんど影響を示さなかった。また、DLATの発現量自体もTORC1活性にほとんど影響を示さなかった。このことは、DLAT以外の分子をTPCKが標的にしてmTORC1活性に影響を及ぼす可能性を示唆するが、DLAT以外の候補分子は現在のところ不明である。前年度までに行った酵母での遺伝学的スクリーニングから得られた分子Pbp1について、TORC1活性制御への関連を調べた。Pbp1の過剰発現は、様々な栄養源に対して一般にTORC1活性抑制能を示すことがわかった。Pbp1過剰発現はTORC1の複合体形成に影響を与えなかったため、TORC1活性自体あるいは細胞内の局在に影響を与えている可能性か考えられた。Pbp1過剰発現時のTORC1の細胞内局在を観察したところ、興味深いことにPbp1過剰発現により細胞質foci形成していた。Pbp1はグルコース飢餓などのストレス下でmRNAの翻訳の停止に依存して形成されるfoci(stress granule)の構成成分の1つと考えられているが、TORC1はPbp1 fociと共局在していた。このことは、Pbp1過剰発現によるfoci形成がTORC1活性化阻害に寄与することを示唆する。さらに、生理的な条件下でのPbp1とTORC1との共局在を調べると、グルコース飢餓に伴いTORC1の一部分がstress granuleと共局在した。また、グルコース飢餓時のStress granule形成が妨げられるpub1破壊株でのTORC1活性化への影響を調べると、グルコース刺激後のTORC1の活性化が早く起こっていた。これらのことから、グルコース飢餓下でTORC1がstress granulesヘリクルートされることにより、グルコース刺激後のTORC1活性化を一時的に遅らせていると考えられた。このような一時的な抑制は細胞のストレス応答にとってなんらかの意義があると推測しており、今後TORC1活性制御における新たな視点をもたらす可能性がある。
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Report
(3 results)
Research Products
(7 results)