底泥の毒性要因特定手法の改良と底質汚染への適用及び結果の生態毒性評価
Project/Area Number |
08J10156
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Civil and environmental engineering
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
渡部 春奈 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2008 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2010: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 底質汚染 / ノンポイント汚染 / 道路塵埃 / カイミジンコ / 底質毒性試験 / 雨天時流出 / 毒性要因特性(TIE)手法 / 底泥 / 毒性要因特定(TIE) / ニホンドロソコエビ / 吸着剤 / 生態毒性評価 |
Research Abstract |
ノンポイント由来の有害化学物質を蓄積している道路塵埃は、都市の底質汚染源として寄与していると考えられ、その底生生物への毒性影響が懸念される。そこで本年度は、底生生物のカイミジンコを直接、道路塵埃に曝露して毒性評価を行った。その結果、交通量の多い地域から採取した塵埃はカイミジンコに対し、高い致死毒性を示したが、住宅地から採取した塵埃は毒性を示さなかった。 さらに、道路塵埃の雨天時流出過程において、塵埃が受ける変化を想定して毒性を評価することで、道路塵埃の水域流入後の毒性影響を推測し、汚染対策が必要な場所や環境条件などを明らかにすることができると考えられる。そこで、塵埃と試験水の固液比や、混合後の静置時間を変えた様々な試験条件で塵埃の前処理を行い、その時の毒性変化の評価を行った。固液比1:2および1:4のとき、1時間静置後に分離した溶出画分(水相)は高い致死毒性を示したが、湿潤化塵埃(固相)は毒性を示さなかった。さらに固液比を1:8にすると溶出画分も毒性を示さなくなった。しかし、固液比1:2で7日間静置した後は、溶出画分だけではなく、湿潤化塵埃も高い毒性を示した。したがって、水と接触した直後は道路塵埃の毒性画分は主に溶存態として存在するが、長時間、管路内などで滞留した場合は、毒性画分は塵埃側の粒子結合態としても存在し、水域流出後に毒性影響を及ぼす可能性が示された。 最後にwhole sediment TIE手法の適用によって道路塵埃の毒性要因推定を試みた。湿潤化塵埃に吸着剤添加法を適用したところ、AmbersorbおよびXADによって除去される疎水性の有害化学物質が毒性要因だと推定された。疎水性の有機化合物による毒性を確認するため、塵埃に添加したXADから疎水性物質を有機溶媒で回収し、毒性試験に供したところ、MeOHで溶出される画分において高い致死毒性を示した。したがってMeOHに溶出するような比較的親水性の高い有機化合物質が毒性要因であると推定された。
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Report
(3 results)
Research Products
(12 results)