減数第一分裂における染色体の還元分配を制御する分子機構の解析
Project/Area Number |
08J10167
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Genetics/Genome dynamics
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
塚原 達也 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 染色体分配 / CDK / シュゴシン / セントロメア |
Research Abstract |
CPC (Chromosome Passenger Complex)は分裂期にセントロメアに局在し、染色体とスピンドル微小管との誤った結合を修正することで正確な染色体分配に必須の役割を果たす。我々は、CDKがCPCのサブユニットをリン酸化することでCPCとシュゴシンとの相互作用を促進し、セントロメアへと局在させることを示してきた。今年度は、分裂酵母Birl-244Sに対するリン酸化特異的抗体を作製した。間期及び分裂期の細胞からBirlを免疫沈降しウェスタン解析を行ったところ、Birl-S244は分裂期にのみリン酸化されていた。さらに、CDKの制御サブユニットであるCdc13(CyclinB)の変異株cdc13-M7を遺伝学的スクリーニングにより同定した。cdc13-M7変異株は染色体分配に著しい欠損を生じ、CPCのセントロメア局在及びBirlのリン酸化レベルが低下していた。Birlのリン酸化模倣型変異がそれらの表現型を抑圧したことから、CDKがBirlのリン酸化を介して染色体分配を制御するというモデルが強く支持された。また、ヒトBorealinが分裂期においてリン酸化によるバンドシフトを示すこと、CDKのコンセンサス残基をアラニンに置換した非リン酸化型Borealin-7Aはバンドシフトしないことを明らかにした。分裂期に同調した細胞をCDK活性阻害剤で処理するとCPCのセントロメア局在及びシュゴシンとの相互作用が顕著に減少した。これらの結果から、CDKによるCPCのリン酸化(分裂酵母ではBirl、ヒトではBorealin)に依存したCPCとシュゴシンとの相互作用が、CPCのセントロメア局在における進化的に保存された中心的制御であることが明らかになった。本研究は、細胞周期進行のmaster regulatorと考えられてきたCDKが染色体分配の過程を直接制御することを示したという意味でも重要な意義があると考えられる。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)