Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Research Abstract |
本研究は多重アクセス通信で用いられる符号語数最大の最適な組合せ符号(特に相互相関の値が1の衝突回避符号と光直交符号)の構成と存在性に関する研究である.本研究で以下の結果を得た. 1.ペルージャ大学のM. Buratti教授,A. Pasotti研究員との共同研究により,自己相関の値が2かつ重みが4の光直交符号に対する存在性の問題に取り組んだ.この研究は[K.Momihara, M.Buratti, 2009]の継続的研究である.まず,このクラスの最適光直交符号の存在性を,その符号の部分構造としての強差集合族の存在性に帰着させることで,最適光直交符号の無限個の非存在性を示した.ここで,先行研究において最適符号の非存在性を証明した結果がほとんど知られていないという点に注意する.また,強差集合族が存在する場合には,相互相関の値が1の衝突回避符号の構成で用いた手法を利用し,新たに無限個の符号長に対し最適光直交符号の構成を行った.この研究より,非常に大きなクラスで自己相関の値が2かつ重みが4の最適光直交符号の存在性を特徴付けることに成功した. 2.研究課題であった内部に正則性を持たない最適かつ重み一定の粗悪な組合せ符号の構成問題に取り組んだ.まず既存の相対差集合族からそれを部分群に制限することで,重みが可変な正則性を持つ光直交符号を構成する手法を得た.次に,いくつかの既知の結果にその構成法を適用し,また,有限体上の指標和の理論を用いて新しく得られた相対差集合族の可変な重みの上界・下界を計算することに成功した.これより,その下界に重みをそろえるよう各符号語から元を取り除くことで,多くの粗悪な最適光直交符号の無限系列を得た.この結果の特色は,これまで構成することが困難とされた内部に正則性を持たない粗悪かつ最適な符号を大量に生成する手法を与えた点であり,また,その意義は有限体上の指標論の薪たな応用を与えたという点からも重要視されるべきものである.
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