イネin vitro結実系を用いた、初期果実生長の分子機構の解明
Project/Area Number |
08J10366
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
植物生理・分子
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
内海 貴夫 Tokyo Metropolitan University, 理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 果実 / イネ / 単為結実 / 子房 / オーキシン / 小枝梗 / 小穂軸 / 培養 / ジベレリン / 組織培養 / 着果 |
Research Abstract |
果実はその内部に種分を含む器官であり、受精後に雌しべが肥大・成長し成熟することによって形成される。開花後の花のうち、受精した雌しべが急激な成長を開始する一方で、受粉もしくは受精しなかった雌しべは生長しない。つまり、雌しべが果実に転換するためには、受粉・受精から引き起こされる一連のシグナルが必要である。その一方で、人工的に植物ホルモン処理をすることにより、種子を持たない果実(単為結実)が誘導されることが知られている。着果機構の研究は、この単為結実と受精より誘導される果実形成を用いて行われてきた。これまでに、トマト、シロイヌナズナなどの植物で、植物ホルモンであるオーキシン(IAA)が着果を引き起こすホルモンであるとともに、果実成長に関与する植物ホルモンであるジベレリン(GA)の合成を活性化させることが知られている。本研究は、イネにおける果実の初期生長の分子機構に焦点を当てて研究を進めた。 21年度は、受粉後にイネ小穂内で増加するIAAが子房およびその基部側の器官である小穂軸・小枝梗どちらで主に合成されているかを推定するために、IAA輸送阻害剤を用いて、子房と小穂軸・小枝梗のIAA量の測定を行った。その結果、受粉後に増加するIAAは主に子房で合成され、合成されたIAAの一部が小穂軸・小枝梗に輸送されることを強く示唆する結果が得られた。また、GA合成酵素の阻害剤を用いて、子房の培養を行った。その結果、子房成長の阻害が観察されたものの、GAを加えた相補実験の結果、子房の成長は回復しなかった。このことから、GA合成阻害剤が、GAの合成を阻害することによってイネ子房の成長を阻害するという確実な証明は得られなかった。GA合成阻害剤はP450という生物に普遍的に存在し、重要な機能を担っている酵素の活性も阻害することが知られているため、GA合成の阻害以外の副次的な作用により、子房成長が阻害された可能性がある。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)