Project/Area Number |
08J10429
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Japanese literature
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高野 奈未 The University of Tokyo, 大学院・人文社会系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2009: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2008: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | 近世文学 / 国学 / 賀茂真淵 / 古典注釈 / 和歌 |
Research Abstract |
真淵の古典注釈方法の特色・注釈史上の位置・歌学との関係を、百人一首と源氏物語に関して論じた前年度の研究成果およびこれまでの調査結果を踏まえ、本年度は真淵の伊勢物語注釈である『伊勢物語古意』を検討し、その研究成果について「近世の伊勢物語研究-賀茂真淵『伊勢物語古意』を中心に-」と題して学会発表を行い(東京大学国語国文学会、於東京大学、2009年4月)、論文「賀茂真淵の伊勢物語注釈-『伊勢物語古意』について-」(『国語と国文学』86巻9号、2009年9月)としてまとめた。この論文は、『伊勢物語古意』の注釈方法の特色と後世に与えた影響を示し、近世の伊勢物語研究史上に位置づけたものである。真名本を重視し、近世前期以前の旧注を批判するという特徴が共通することから、荷田春満『伊勢物語童子問』とほぼ同質の注釈として認識されてきた『伊勢物語古意』において、真淵は『伊勢物語童子問』の作り物語説を具体的に注釈に反映して、伊勢物語の表現技巧に注目する手法を取っていること、特に独自に和歌の余情を確保するように伊勢物語の文章が作られたことを考察していることを指摘した。さらに真淵が和歌指導・古典注釈において常に表現の過剰性・饒舌さを批判することに留意し、また荷田家の共同研究の成果を踏まえながらも先行注釈の欠点を的確に捉え直していることを示した。 この見解を踏まえて真淵の詠歌について、特に典拠の利用方法に即して分析を行った。これと併せて後世の真淵への評価を収集し検討を進めている。また、没後に出版された真淵の注釈書・歌論書を含めた真淵著作の書誌調査を行った。調査先機関は、京都大学附属図書館、大阪府立中之島図書館、無窮会図書館、早稲田大学図書館等である。以上の調査で得られた結果について論文を執筆中である。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)