Project/Area Number |
08J10466
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Astronomy
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
河原 創 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2008 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 銀河団 / 宇宙論 / X線天文学 |
Research Abstract |
銀河団を用いた宇宙論においては、銀河団の内部構造の複雑さ故に、精密なパラメタ測定が困難である。 これを改善するために、銀河団ガスの数値シミュレーションで得られた内部の温度、密度の不均一性が対数正規分布で良く近似できることを示し、銀河団ガスの内部構造を統計的に扱うモデルを構築した。このモデルを用いて、Sunyaev-Zel'dovich効果を用いたハッブル定数推定の系統誤差を評価したところ、Reese et al.(2002)等の観測結果とWMAP等の他の推定法との矛盾を良く説明した。しかし、この対数正規モデルはあくまで数値流体シミュレーションに基づいたものであった。 そこで、平成21年度は、Chandra衛星の新しいキャリブレーションを用いて、過去のハッブル定数推定値を再解析し、系統誤差を見積もった。その結果、ハッブル定数の推定値は衛星キャリブレーションに極めて敏感で、15%程度も系統的に変わりうることを発見した。これは今後の銀河団を用いた宇宙論にとって極めて重要なことである また平成21年度はXMM-Newtonのカタログを用いた銀河団の形状分布の測定と理論との比較を行った。そして観測結果は現在のCDM宇宙論とコンシステントであることを見いだした。銀河団ガスの形状は球対称から平均的に20%程度ずれているのでこれもまた今後の精密宇宙論を行う上で、考慮していくべき事項である。これらの結果は現在論文にまとめ、査読中である。
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