Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2010: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Research Abstract |
採用第3年度では,最終目標であるマイクロ塑性加工に要求される金型及び被加工材の表面設計指針の提言に対し, 〇帯板引抜型摩擦試験によるメゾトライボ特性評価-寸法の微小化に伴うトライボ特性評価と理論的解析- 〇マイクロ深絞りFEMモデルによる接触挙動解析-実加工におけるメゾトライボ挙動の特性化- 〇メゾトライボ特性化に基づいた表面設計指針構築のためのプロセスウィンドウの作成を行った.これに対し,以下の研究成果が得られた. (1)初年度に開発した帯板引抜型摩擦試験機を用いて,無潤滑摩擦の寸法効果を検証し,寸法の微小化に伴って,摩擦係数が低下することを明らかにした.これらが主に接触面内にトラップされる摩耗粉の相対数による寸法効果に起因していることを定量的に明らかにした. (2)乾燥摩擦下における摩擦の寸法効果をより一般的に記述するため,トライボロジー理論に基づいて,寸法効果の要因を4つの項目に分類化するフローチャートを作成した. (3)第2年度に行ったマイクロ深絞り試験で得られた成形荷重より,理論的に摩擦係数の算出を行った結果,引抜型摩擦試験結果とよく対応して,寸法の微小化に伴って摩擦係数が低下することを示した. (4)さらにFEM解析による検討から,マイクロ塑性加工では,微小寸法領域における摺動距離が絶対的に短いことに大きく起因して,摩耗量も極めて低くなることを明らかにした. (5)これまで得られた知見に基づいて,マイクロ塑性加工における表面設計指針構築のためのプロセスウィンドウを作成した.ここでは,金型-被加工材間におけるトライボ特性に関わる重要なパラメータとして,金型表面粗さおよび被加工材表面硬さの2つのパラメータに着目し,マイクロ・メゾ・マクロの3つの寸法領域における摩擦係数への影響を3次元空間上に表現し,各種パラメータの影響を分かりやすく描写した. 以上より,マイクロ塑性加工における摩擦低減には被加工材の摩耗発生を抑制する金型設計が重要であることを示した。また金型表面幾何形状の最適化により,代表接触長さを小さくすることで,さらなる摩擦低減が期待できることを示し,マイクロ金型設計における重要な設計指針を得た.
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