乾燥加熱を利用した糖リン酸化によるホエータンパク質の高機能化
Project/Area Number |
08J10509
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Zootechnical science/Grassland science
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
榎元 廣文 Kagoshima University, 農学部, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | ホエータンパク質 / リン酸化 / 乾燥加熱 / 機能 / 構造 / オボアルブミン / 大豆タンパク質 / α-ラクトアルブミン / 糖化 / 結合様式 |
Research Abstract |
これまでの研究から、乾燥加熱を利用した糖リン酸化によってホエータンパク質分離物の熱安定性、乳化安定性、ゲル化特性、およびリン酸カルシウム可溶化能が改善されること、β-ラクトグロブリン(β-Lg)の抗原性が減少されること、およびα-ラクトアルブミン(α-La)の抗炎症作用が強化されることが示唆された。 本年度は、糖リン酸化によるα-Laの抗炎症作用の強化メカニズムを調べた。リポポリサッカライドによってマクロファージ様THP-1細胞より産生される炎症促進性サイトカイン、TNF-αとIL-1βのmRNA発現レベルをリアルタイムPCR法により調べた。TNF-αの発現レベルは未処理α-Laで若干減少し、糖化、および糖リン酸化α-Laによってさらに減少したが、IL-1β mRNAの発現レベルへの影響は認められなかった。次に、α-Laサンプルの酵素消化ペプチドで炎症促進性サイトカインのmRNA発現レベルを調べたところ、TNF-α発現レベルへの影響は酵素消化後も同程度だった。しかし、IL-1βm RNA発現レベルは、未処理α-Laのペプチドでは影響は認められなかったが、糖化、および糖リン酸化α-Laのペプチドでは減少した。続いて、糖リン酸化α-Laの酵素消化ペプチドを等電点電気泳動により分画回収した。 大腸菌発現系を用いて糖鎖修飾のないオボアルブミン(OVA)を調製し、OVAの糖鎖にどの程度リン酸基が結合しているか調べたところ、1日間乾燥加熱によってOVAのポリペプチド鎖に0.46%、糖鎖に0.25%のリン酸基が導入された。ポリペプチド鎖および糖鎖のリン酸化によってOVAの構造は部分変性した。糖鎖に結合したリン酸基もまたOVAの熱安定性を改善した。 乾燥加熱を利用して大豆タンパク質分離物(WSP)をリン酸化したところ、WSPの熱安定性、乳化特性、起泡特性、およびゲル化特性が改善された。
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Report
(2 results)
Research Products
(14 results)