イオン液体を媒体とする菌体触媒を用いた非水系バイオプロセスの構築
Project/Area Number |
08J10593
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Biofunction/Bioprocess
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山本 悦司 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2008 – 2010
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
|
Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2010: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
|
Keywords | イオン液体 / 酵素 / 菌体触媒 / スクリーニング / 非水系 |
Research Abstract |
有機溶媒・水二相系反応場において有用物質生産が可能な数種の菌体を、イオン液体・水二相系反応場で用いた。しかしながら、菌体がイオン液体の毒性により死滅し、菌体内の酵素が働かず、目的の物質が得られなかった。この結果より、有機溶媒とイオン液体の毒性の作用機序は異なることが示唆された。また、イオン液体に耐性のある菌を、土壌や天日塩中からのスクリーニングを試みたが、菌体触媒として有用な菌は得ることが出来なかった。 上記の結果を踏まえ、菌体内ではなく菌体外で働く単一の酵素を用いて、イオン液体共存下での酵素反応を試みた。モデル酵素として多糖の加水分解を触媒するリゾチームを用い、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムクロリド(C2MImCl)などの水溶性のイオン液体を含んだ含水量が少ない環境下で、70℃で加熱し、逆反応(糖の伸長反応)を試みたところ、基質である二糖から三糖以上の多糖を合成することに成功した。 更に、イオン液体がリゾチームの熱力学的及び速度論的安定性に与える影響をより詳細に調べた。示差走査熱量測定により、イオン液体含有条件下では、リゾチームの変性温度が減少し、熱力学的に不安定になることが分かった。特に炭素数8以上の長い炭素鎖を有するイオン液体は、低濃度の添加で、リゾチームの変性温度を著しく低下させることが分かった。しかしながら、上記のC2MImClなど短い炭素鎖を有するイオン液体は、適量添加することにより、若干変性温度は下げるが、24時間後の残存活性を向上させることが分かった。これらの結果より、ある種の短い炭素鎖を有するイオン液体を添加することにより、酵素の不可逆的な失活を防ぐ(速度論的な安定性を示す)といえる。そのため、加熱条件下でも失活せずに、糖転移反応が進行すると考えられる。なお、短い炭素鎖を有するイオン液体は、グアニジンで変性したリゾチームの酵素活性を効果的に再生(リフォールディング)出来ることも分かった。
|
Report
(3 results)
Research Products
(4 results)