Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2010: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Research Abstract |
以下の4点を実施した. (i)逐次的次元縮約法を開発し,ラット聴皮質で,音周波数識別で重要となる神経活動を,識別器の識別精度を向上させるように段階的に抽出した.抽出した時空間的神経活動パターンの識別精度は,神経活動の空間パターンのみや,高発火頻度のみのパターンよりも優れていた.これは,時間パターンや低発火頻度の神経活動が,周波数識別に寄与することを示唆する.また,識別器の結合荷重を精査した結果,低発火頻度の神経活動は,詳細な周波数識別で重要だった. (ii)習慣行動と目的指向型行動での行動戦略を,ラットの自由選択課題で調べた.同課題で,ラットは左右どちらかの穴を選択し,報酬を確率的に得る.同課題は,20から230試行で報酬確率の変動する条件と,報酬確率一定の条件を,任意の試行順序で持つ.両報酬条件で,報酬を提示しない消去過程を行なった結果,報酬一定・報酬変動条件の行動はそれぞれ,習慣・目的指向型行動であった.また,報酬一定・報酬変動条件での行動はそれぞれ,モデルフリー(Q学習)・モデルベース戦略(隠れマルコフモデル)に適合した. (iii)行動学習での不確実性の役割を,ベイジアンQ学習で調べた.自由選択課題では,報酬確率の切り替わる条件のみを用いた.なお,ベイジアンQ学習は,報酬確率の期待値だけでなく,その分布を推定する.まず,不確実性は,ラットの行動を促進することがわかった.また,報酬確率の低いときは,ラットの行動はベイジアンQ学習に適合した.一方,報酬確率の高いときは,ラットの行動は,通常のQ学習に適合した.この結果は,不確実性の役割は,報酬確率依存的に変化することを示唆する. (iv)(ii)の自由選択課題時のラットの神経活動を計測した.報酬変動条件と報酬一定条件で,発火頻度の有意に異なる神経細胞は,前頭前野と線条体でそれぞれ,8/65個と6/84個だった.
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