複素環補酵素の多彩な配位構造に基づく集積型金属錯体の構築とその機能化
Project/Area Number |
08J10727
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Inorganic chemistry
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Research Institution | Osaka University (2009-2010) Osaka City University (2008) |
Principal Investigator |
宮崎 総司 大阪大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2008 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2010: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2009: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2008: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | ルテニウム / 複素環補酵素 / 異性化反応 / 集積型金属錯体 / 非共有結合性相互作用 / プロトン共役電子移動 / 水素移動反応 / イリジウム / 光異性化反応 / プロトンシフト / 多核錯体 |
Research Abstract |
酸化還元活性な複素環酵素の酸化還元挙動、配位結合、分子間相互作用、プロトン脱着との相互関係を利用した機能性集積型金属錯体の開発を目指すために、集積体の構成要素となり得る、複素環補酵素であるプテリンを有するルテニウム錯体の機能化へ向けた研究を行った。ルテニウム(II)-プテリン-TPA(トリス(2-ピリジルメチル)アミン)錯体の光と熱による構造変化を見い出した。NMR、マススペクトル測定の結果より、アセトン中で460nmの光照射を行うと、TPAの一つのピリジン環が解離し、溶媒分子の配位とそれにともなう構造変化が起きたと考えられる中間体を与えることを明らかにした。この中間体はその後の熱過程により溶媒分子の解離とピリジン環の再配位にともなう構造変化により元の錯体の異性体を与えることがわかった。X線結晶構造解析によりこの異性体はプテリン配位子が180度回転した構造であった。この1段階目の光反応は量子収率0.87%であり、2段階目の熱反応は熱力学的解析により7配位の遷移状態を経由して進行すると考えられる。この異性化反応はほぼ100%進行し、また、生成した異性体はアセトン中では加熱しても変化しないが、アセトニトリル中で加熱すると可逆的に元の構造へと戻ることを明らかにした。逆反応の活性化パラメーターからこの反応の遷移状態も7配位構造であり、この系では溶媒分子の配位力が異性化反応の重要な要因になっていることがわかった。このようなルテニウム-補酵素錯体の光反応の詳細な検討は、集積型金属錯体の機能化に重要な知見を与えるものである。
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Report
(3 results)
Research Products
(7 results)