Project/Area Number |
08J10784
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Meteorology/Physical oceanography/Hydrology
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
丹羽 洋介 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2008 – 2009
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
|
Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
|
Keywords | 二酸化炭素 / 大気輸送モデル / インバージョン解析 |
Research Abstract |
地表面における炭素収支や大気中の二酸化炭素(CO_2)の動態を解明することが、炭素循環の温暖化に対する応答メカニズムの理解、さらに、二酸化炭素の排出量削減対策を行うために必要不可欠である。 本研究では、CO_2インバージョン解析の精度に影響を及ぼす輸送計算を高度に行うため、大気大循環モデルNICAMを基とした微量気体の全球輸送モデルの開発を行った。化学トレーサ輸送実験から、開発したモデルの半球間輸送や鉛直輸送に対する優れた再現性を示し、また、信頼性の高いインバース解析値を得た。 この解析値から、西太平洋上空の南半球側にのみ見られる2つの極大をもつ特異なCO_2濃度の季節変動が、北半球の植生による変動と、遅れて伝わるアフリカや南米の植生による変動によって形成されることを明らかにした。一方、エルニーニョと同時期に発生する濃度増加速度の上昇は、南米や東南アジア、アフリカの森林火災や気温上昇に伴う植生の呼吸量増加が要因であることを明らかにした。 また、シベリア上空の航空機データをインバージョン解析に用いることで、解析値の信頼性が高まることを示し、さらに、より広範囲にわたる航空機観測データと複数のモデルを用いた解析から、上空の濃度分布が大気輸送を通じて炭素収支推定に対しても有意に感度を持つことを明らかにした。これらの結果は、今後の航空機や衛星による3次元的なCO_2観測によって解析値の精度がさらに向上することを示している。
|