Project/Area Number |
08J10920
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Astronomy
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan (2009) The University of Tokyo (2008) |
Principal Investigator |
岩澤 全規 National Astronomical Observatory of Japan, 理論研究部, 特別研究員PD
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 大質量ブラックホール / 銀河構造 / Bahcall-wolf cusp / Resonant Relaxation / 中間質量ブラックホール / N体シミュレーション / 大質量ブラックホール形成 / 大質量ブラックホール連星 / 恒星系力学 / 重力波 |
Research Abstract |
SMBH周りの恒星系の分布は系が緩和していれば、密度分布はBahcall-Wolf cuspと呼ばれる-1.75乗の冪を持つと考えられ(Bahcall & Wolf 1976)。これは、恒星系の二体緩和によって運ばれるエネルギー流束が半径によらず一定の場合に実現される構造として理解出来る。しかし、近年、ケプラーポテンシャル場中では、二体緩和以外にResonant Relaxation(RR)と呼ばれる星同士の永年摂動による緩和過程がある事が分かってきた(Rauch & Tremaine 1999)。特にScalar Resonant Relaxation(SRR)と呼ばれる過程は星の軌道傾斜角と軌道離心率を緩和させる。二体緩和とSRRでは緩和の時間スケールが異なり、特にSMBHの近くでは、SRRの時間スケールは二体緩和の時間スケールよりも短くなる。その為、SMBH周りの星の密度分布さらにSMBHへの星の降着率も二体緩和による見積もりと大きく異なる可能性がある。しかし、SMBHの近くでは相対論的歳差運動の効果により、星の軌道は完全には閉じないので、SRRが弱くなるとも考えられる。 そこで、本研究では銀河中心にSMBHを置いたN体シミュレーションを行いSMBH回りで銀河構造がどの様に変化するか、SMBHへどの程度の星が降着するかを調べた。その結果、少なくとも銀河中のSMBH回りでは相対論的歳差運動によって、ほとんどSRRが効かず、銀河の構造やSMBHへの降着率は共に、二体緩和によって支配されている事が分かった。 また、近年、球状星団中に中間質量ブラックホール(IMBH)が発見されたという報告が幾つかなされている。IMBHの形成、成長過程の一つとして、星の降着は重要と考えられるので、IMBH周りでの恒星系の密度分布や降着率についても調べた。その結果、SMBHの場合と異なり、降着率が二体緩和による見積もりより、数倍高くなる事、中心部の構造も僅かに、Bahcall-Wolf cuspより浅くなる事が分かっだ。これは、IMBH周りでは、SMBHの場合に比べて、星の潮汐破壊半径付近での相対論的効果が弱くなるため、SRRが効率的に働く為である。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)