Project/Area Number |
08J11077
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Asian history
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
塩谷 哲史 The University of Tokyo, 大学院・人文社会系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2009: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2008: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | 中央アジア史 / ロシア史 / ヒヴァ・ハン国 / 古文書研究 / アムダリヤ / 水利権 / 露亜銀行 / ヤルリグ / 歴史学 / 地域研究 / 国際情報交換 / ウズベキスタン:ロシア / 史料学 |
Research Abstract |
平成21年7月29日より同年8月28日にかけてロシア科学アカデミー東洋写本研究所、ウズベキスタン共和国中央国立文書館、イチャン・カラ博物館(ウズベキスタン共和国・ヒヴァ市)において史料調査を行った。1873年ロシアのヒヴァ遠征に同行し現地調査を行った東洋学者クーンA.L.Kunの『古代からのヒヴァ・ハン国における居住史、および現在の住民構成、行政、都市についての概説』(東洋写本研究所蔵)は、コングラト朝ヒヴァ・ハン国の行政機構、税制、地方支配の未解明な点を明らかにできる可能性を有していることが判明した。またイチャン・カラ博物館勤務のカーミルジャーン・フダーイベルガノフ氏の協力により、1910-20年代ホラズム地方における改革・革命運動の中心人物であったパフラヴァーン・ニヤーズ・ユースポフが、その活動を記した手稿本(民間所蔵)を発見した。現在その公刊に向けた作業を継続している。さらに、2009年12月12日開催の国際ワークショップ「近世・植民地期中央アジアの社会史」(ドイツ、マルティン・ルター大学)および2010年2月27日開催の北海道中央ユーラシア研究会(北海道大学)にて、イチャン・カラ博物館に所蔵されるヤルリグ(勅令)のうつしを、当時のロシア=ヒヴァ・ハン国間関係に位置づける報告を行った。1913年ヒヴァ・ハンがロシア人貴族および露亜銀行頭取に宛てた土地売却に関する勅令は、宗主国ロシアとその保護国ヒヴァ・ハン国の間に、両国間関係を規定していたガンドゥムジャン条約に触れられていなかったアムダリヤの水利権をめぐる議論を巻き起こした。この議論は、1914年3月アムダリヤの水利権がロシア政府にあるとする決定に帰着したが、その過程でヒヴァ・ハン国は、既存のアムダリヤ管区長官を介したものとは異なるロシア政府との交渉のあり方を模索し始めたことが明らかになった。
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