ERMタンパク質に注目した、細胞膜上におけるトランスポーターの制御機構の解明
Project/Area Number |
08J11194
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Medical pharmacy
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
伊藤 元貢 The University of Tokyo, 大学院・薬学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | oseltamivir / Ro64-0802 / OAT3 / MRP4 / ベクトル輸送 / 遺伝子変異 / 薬物の中枢暴露の個人間変動 |
Research Abstract |
Genipinはラットにおいては胆管側膜におけるmultidrug resistance-associated protein(MRP2)の発現量を上昇させ利胆作用を示すが、その作用は私が計画していたin vivo(マウス)及びin vitro系では異なる薬理作用を有したことから、解析を断念した。また、尿酸及びグリシルサルコシンの体内動態はradixin KOマウスにおいて野生型に比べ有意な変化が確認されなかった。私は、近年特に関心が高まっているoseltamivir及びその活性型分子であるRo64-0802の中枢移行性並びに中枢薬理について焦点を当てた。私は、血液脳関門、血液脳脊髄液関門、腎臓近位尿細管上皮細胞において互いに異なる膜上に発現しているorganic anion transporter(OAT)3及びMRP4がRo64-0802を基質にすることを明らかとした。さらに、それぞれのトランスポーターの遺伝子欠損マウスを用いて、Ro64-0802がOat3、MRP4によるベクトル輸送によって中枢及び末梢組織から効率的に体外に排泄されていることを明らかとした。両トランスポーターには、遺伝子変異に伴う機能低下が複数報告されている。実際に私は、OAT3の単位タンパクあたりの機能が約90%低下する遺伝子変異、I175V及びA38Vを見出した。こうしたoseltamivir及びRo64-0802の体内動態制御因子の遺伝子変異による機能変化を考慮し、モンテカルロシミュレーションにより両化合物の脳内暴露の個人間変動を予測した。特にRo64-0802の脳内暴露は、5万人に数人規模の極めて少数の服用者集団において平均値より10倍程度上昇することを明らかとした。私の予測法は個人間のばらつきを考慮に入れたリスク評価法であり極めて新しく、示唆に富んだものであると考える。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)