生体膜リン脂質分子種多様性構築の分子機構とその生物学的意義の解明
Project/Area Number |
08J11433
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Functional biochemistry
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
李 賢哲 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2008 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2010: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | アシルトランスフェラーゼ / ホスファチジルイノシトール / LPIAT |
Research Abstract |
これまで、アラキドン酸をホスファチジルイノシトール(PI)へ導入する脂肪酸転移酵素であるリゾPIアシルトランスフェラーゼ:LPIATのノックアウトマウスの解析を行ってきた。これまでにわかったこととして、出生したLPIAT-/-マウスは体が小さく、出生後1ヶ月以内にほとんどが死に至ること、LPIAT-/-マウス脳では、大脳皮質および海馬が顕著に萎縮しており、神経細胞の移動や突起伸展に異常があることが挙げられる。今年度は、昨年に引き続き、我々が作製したLPIATノックアウトマウス個体の表現型解析を行った。また、PIの特徴的な脂肪酸組成とPIPs(PIポリリン酸)との関係を調べるため、PIPsに着目した脂質解析を行った。 1.表現型解析 LPIAT-/-マウスにおいて神経細胞の分化や増殖に異常がある可能性を考え、マーカーを用いて調べたところ、LPIAT-/-マウスでは神経細胞の分化や増殖には異常は生じていないことがわかった。次に、細胞死について調べたところ、LPIAT-/-マウスの大脳皮質ではアポトーシスが亢進していることが判明し、これが大脳皮質層が野生型よりも薄い主たる原因であると考えられた。神経細胞の移動についてもより詳細に解析したところ、大脳皮質層構造形成の初期段階では神経細胞の移動は正常であるものの、後期のE15.5のあたりから細胞移動が遅延していることが明らかになった。 2.脂質解析 LPIAT-/-マウス脳のPIPs(ポリホスホイノシタイド)の脂肪酸組成を調べたところ、PIと同様にPIPsにおいてもLPIAT-/-マウスではアラキドン酸の含量が減少していることがわかった。また、放射標識したイノシトールとLPIAT-/-細胞を用いてPIPsの量を測定したところ、LPIAT-/-細胞ではPIPsの全体量が増加し、イノシトール環の3位にリン酸基が付加したPI3Pの量が特に増加していることがわかった。 今後、PIPsの異常がどのような分子メカニズムで脳の形態異常を引き起こすか、詳細に解析していきたい。
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Report
(3 results)
Research Products
(14 results)